GLOSSARY

解説付用語集(五十音順)

ここでは細菌や検査等で使用する用語についてご説明しています。こちらに知りたい言葉がない場合はお気軽にお問い合わせください。
用語 読み 解説
ISO アイエスオー 国際標準化機構(International Organization for Standardization)。本部はスイスのジュネーブにあり、さまざまな工業分野(電気関係以外)の国際的な標準である国際規格を作成するための非営利の民間法人。国際標準化機構が定めた国際規格自体も一般にはISOと呼び、「ISO+規格番号:策定or改定年度」という形式で表わされる。 例)ISO 9001:2005 品質管理システム
アオカビ アオカビ 主に不完全菌類のペニシリウム属(Penicillium)を指す。
アカカビ アカカビ 主に不完全菌類のフザリウム属(Fusarium)を指す。
亜硝酸根 アショウサンコン 食品中に存在するNO2(亜硝酸イオン)の量。
アスペルギルス aspergillus アスペルギルス アスペルギルス(Aspergillus)属はコウジカビとも呼ばれる不完全菌類で、食品衛生上重要な菌種を多く含む。カビ毒のアフラトキシンを産生するA. favusやオクラトキシンを産生するA. ochraceus、果実などの植物病原菌であるA. nigerなどが有名。
アナフィラキシー anaphylaxis アナフィラキシー ハチ毒・食物・薬物などが原因となって起こる、人体の過剰な免疫応答による急性アレルギー症状。ジンマシンなどの皮膚症状や呼吸困難、めまいや意識障害などを起こし、ときに生命を脅かすほどの重篤なショック症状に陥ることがある。(アナフィラキシーショック)
アニサキス anisakis アニサキス アニサキスは回虫目のアニサキス属に含まれる線形動物の総称で、特に海産動物に多く寄生する寄生虫。非加熱のサバ、アジ、タラ、イカを喫食した場合、ヒトに感染してアニサキス症と呼ばれる健康障害を引き起こすことがある。
アフラトキシン aflatoxin アフラトキシン カビ毒(マイコトキシン)の1種。主にアスペルギルス属のAspergillus flabus、A. parasiticus、A. nomiusが産生する毒素で、最強の発癌性物質として知られる。その化学構造によりB1、B2、G1、G2など10数種類に分類される。アフラトキシン産生株は主に熱帯、亜熱帯地域に生息し、当該地域で収穫された米、麦類、トウモロコシ、ナッツ類、香辛料からアフラトキシンが検出されることが多い。
洗い落とし法 アライオトシホウ 製造環境検査で表面に付着した菌を殺菌水などで洗い落とし捕集するサンプリング法。布製品やボトルなどの包装容器の内部付着菌を検査する際に用いられる。
アルカリ洗剤 Alkaline detergent アルカリセンザイ 溶液にしたときアルカリ性(pH11以上)を示す洗剤。アルカリ洗剤はタンパクを溶解し、油汚れにも効果が高いので食品工場の頑固な汚れ除去に使用される。
アルコール alcohol アルコール =エタノールethanol
アレルギー様食中毒 allergy-like food poisoning アレルギーヨウショクチュウドク アレルギー物質であるヒスタミンを多量に含む食品(魚介類)を摂取したときにおこる食中毒。ヒスタミン食中毒、腐敗アミン中毒ともいわれる。モルガン菌などのヒスタミン生成菌が、前駆物質であるヒスチジンを多く含む魚介類(特に赤身魚)に付着し、増殖すると酵素反応によりヒスタミンが生成される。症状はアレルギー様症状だが、いわゆる食物アレルギーとは異なる。
EC発酵管 Fermentation tube イーシーハッコウカン 主に大腸菌の検査で使用されるEC培地を分注した発酵管。ダーラム管を入れた試験管で代用されることが多い。試料を接種したEC発酵管を44.5℃で24時間培養してガス発生がみられた場合、大腸菌「陽性」と判断する。
閾値 Threshold (amount, level, value, etc.) イキチ 閾値とは事象と事象の境界を表す値。例えば、食品の味(甘味、苦味、塩味など)で閾値とはヒトが味覚として感知できる最低限の濃度を指す。
一次汚染 Primary contamination イチジオセン 食品の製造場で発生する二次汚染に対して、原材料の段階(入庫前)にすでに存在する微生物汚染を一次汚染と呼ぶ。
一日摂取許容量 Acceptable daily intake (ADI) イチニチセッシュキョヨウリョウ 一日摂取許容量(ADI:Acceptable Daily Intake)とは、食品添加物など食品に添加もしくは含まれる物質について、ヒトが毎日摂取しても影響が出ないであろうと思われるその物質の1日の接取許容量を意味する。
一般衛生管理プログラム イッパンエイセイカンリプログラム 一般衛生管理プログラムとは、HACCP手法導入の前提条件プログラム(Prerequisite Programs=PRPまたはPP)のこと。施設の衛生管理や食品の衛生的取り扱い、従業員教育など食品事業者にとって必要な衛生管理項目が規定される。食品衛生法による「総合衛生管理製造過程」やコーデックスの「食品衛生の一般的原則」などが該当する。GMP(Good Manufacturing Practice=適正製造基準)もほぼ同じ意味で取り扱われる場合もあるが、一般衛生管理プログラムではGMPにはない「製品回収(リコール)」、「トレーサビリティ」、「品質管理」なども管理項目に含まれるので、GMPは一般衛生管理プログラムに包括されるものと分けて考えられる場合もある。
一般生菌数 イッパンセイキンスウ 生菌数、好気性細菌数とも呼ばれる検査で、食品中に含まれる好気的条件下で生育可能な中温細菌の菌数を指す。具体的には、試料あるいはその乳剤(希釈液)を標準寒天培地に混釈して平板を作成し、35℃-48時間の培養をおこなった後、生育したコロニーをすべて数えて一般生菌数とする。一般生菌数はその食品が衛生的にあつかわれたかを判断する衛生指標として用いられる。
IMViC試験 IMVIC test イムビックシケン 大腸菌の鑑別のために行われる試験法。厳密に大腸菌の存在を判定するにはこの試験を行わなければならない。I (インドール産生試験), M (メチルレッド反応試験: MR), Vi (Voges-Proskauer反応試験: VP), C (クエン酸塩利用試験)の4つの試験を指す。それぞれの試験結果が「±、+、-、-」になるものが大腸菌。
陰イオン界面活性剤 Anionic surfactant インイオンカイメンカッセイザイ 界面活性剤には大きく分けて水に溶かしたときイオン化(イオン性界面活性剤)するものとイオン化しない(非イオン界面活性剤)ものがあり、特にマイナスの電荷を持つイオン性界面活性剤を陰イオン界面活性剤と呼ぶ。洗剤として広く利用され、「セッケン」も代表的な陰イオン界面活性剤である。
インキュベーター incubator インキュベーター ふ卵器、恒温器ともよばれる。ヒーターなどが組み込まれた内部温度を一定に保つ機能を持つ装置。微生物検査では培養器として、平板培地などの培養に用いられる。
インドール産生試験 Indole production test インドールサンセイシケン 大腸菌の鑑別などに用いられる検査法のひとつ。大腸菌は大便の臭気物質のひとつであるインドールを産生する性質をもつため、他の試験により分離もしくは増菌された菌のインドール産生能を調べることで大腸菌かどうかの判別ができる。通常はSIM培地とコバック試薬などを用いて、インドール産生能と硫化水素産生能、運動性の有無を同時に確認する。大腸菌はインドール陽性で運動性を持ち、硫化水素は産生しない。
インピーダンス法 Impedance method インピーダンスホウ インピーダンスとは交流電流における電気抵抗値。食品検体などを接種した液体培地に2本の電極を差し込み、微弱な電流を流しながら培養すると、微生物が産生するイオン化合物によりインピーダンスが低下する。この変化時間と菌数には相関関係が認められるため、あらかじめ検量線を作成しておけば、おおよその生菌数が推定できる。この原理を利用し、培養法よりも迅速に検査結果が得られる迅速検査法として利用されることがある。
ウイルス virus ウイルス ウイルス(virus)とはタンパク質と核酸(遺伝子)から構成される微小な粒子である。生物の最小単位である細胞を持たないが、遺伝情報を持ち、他の生物の細胞を利用(感染)して自己を複製することができるため、生物と非生物の中間にあるような存在。特に細菌を感染宿主とするものをファージ(バクテリオファージ)と呼ぶ。
ウェルシュ菌 ウェルシュキン ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)は食中毒原因菌として知られ、ヒトや動物の腸管内、下水、土壌などに常在する。食品からも高率に検出され、多量の菌で汚染された食品を接取するとヒトの腸内で毒素を産出し腸炎症状を引き起こすことがある。嫌気性の細菌で100℃の加熱にも耐える耐熱性を持つ胞子をつくるため、加熱後常温で長時間放置されたシチューなどが原因となって食中毒が発生することも多い。
エアーサンプラー エアーサンプラー 一定量の空気(エアー)をサンプリングするための装置。おもに空間の清浄度などを測定するため、空気中に浮遊する細菌など微生物を捕集するために用いられる。その他にも、空気中に浮遊する粒子数や存在する化学物質の量を測定する装置もエアーサンプラーと呼称することがある。
衛生規範 エイセイキハン 国民の食生活に密着した食品について、旧厚生省が通知した衛生に関する指針。「弁当・そうざい」、「漬物」、「洋生菓子」、「セントラルキッチン/カミサリー・システム」、「生めん類」のいわゆる一般衛生管理項目について規定されている。本来衛生規範は法令ではなく、あくまで目標値としてそれぞれの食品における微生物の目標基準値が設けられているが、近年この基準値が食品衛生法における食品の規格基準とほぼ同義に考えられることが多い。
衛生標準作業手順書 エイセイヒョウジュンサギョウテジュンショ SSOP(Sanitation Standard Operating Procedures)。HACCP方式において衛生管理の具体的な手順を文書化したもの。 「いつ、どこで、だれが、何を、どのようにするか」を明確にし、目的に適った作業が確実に実行できるように、かつ担当者によって解釈が異なることがないよう作業の手順に従って具体的に書くことが前提となる。手順については文章でなく、図やイラストでも構わない。手洗所に設置する「手洗いの手順書」などが代表的なSSOPになる。
EMB寒天培地 エーエムビーカンテンバイチ 主に大腸菌群群の分離を目的として使用する寒天培地。大腸菌群の試験で、デソキシコレートやVRB、BGLB、LBなどによる一次培養後に確認試験用として使用することが多い。典型的な大腸菌群は培地表面で金属光沢を放つ黒色コロニーを形成するが、状態や菌株により典型的な反応を示さない場合も多く、ある程度濃い色調を示すコロニーはすべて大腸菌群と判断した方が良い場合もある。
AOAC エーオーエーシー Association of Official Analytical Chemists(分析化学者協会) 分析化学分野で分析法のバリデーション,分析の実務,精度管理等に携わる官民の科学者,行政官,その他組織から構成されており,米国を中心に約90ヶ国に会員を有する。
ATP測定法 エーティーピーソクテイホウ ATPは、Adenosine triphosphate(アデノシン三リン酸)の略語で、全ての生物エネルギー源として存在する化学物質です。ATPを測定することは生命の痕跡を測定することであり、食品衛生の分野では製造環境の清浄度判定に用いられている。洗浄後の器具からATPが検出されると云うことは、食品残渣や微生物の付着が考えられるため、洗浄不良の指標となる。
SCDLP寒天培地 エスシーディーエルピーカンテンバイチ レシチン・ポリソルベート80加ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト寒天培地。SCD培地に防腐剤を不活化する成分が加えた日本薬局方などで指定される医薬品や化粧品などの生菌数(一般生菌数)測定に用いられる培地である。
SCD寒天培地 エスシーディーカンテンバイチ ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト・カンテン培地。日本薬局方などで指定される医薬品や化粧品などの製剤や原料試験の生菌数(一般生菌数)測定に用いられる培地である。
エタノール エタノール エタノール(Ethanol)またはエチルアルコール(ethyl alcohol)はアルコールの一種で、数多くあるアルコール類の中でも、最も身近に使われる物質である。酒類の主成分であるため酒精とも呼ばれる。飲用、医薬品、有機溶剤、消毒剤、燃料などに広く利用される。
FAO エフエーオー Food and Agriculture Organization of the United Nations(国際連合食糧農業機関)の略。政府間協定によって設立された世界的専門機関のうち、国連総会の承認を受け国連経済社会理事会と連携関係協定を結んだ国連専門機関のひとつ。「すべての人々の食料安全保障を達成する」ことを目的として、世界の食料の状況調査や管理、提言など様々な活動をおこなっている。
F値 エフチ 実際の商業殺菌では、殺菌工程での加熱温度は刻々変化していきますので、殺菌効果も変化していきます。例えば、加熱初期では110℃であったものが徐々に120℃に上昇していきます。そこで、その時点での加熱温度による殺菌効果を121℃での殺菌効果に換算して、全工程の殺菌効果を積み上げていくという考え方が、缶詰・レトルト食品などの殺菌工程管理に使われます。このように、全工程を通した加熱効果が、121℃で何分間の殺菌効果に相当するかを表した数値がF値になります(単位は分)。通常の缶詰食品の殺菌条件では、ボツリヌス菌に対する12Dを基準として、F値は2.4分になります(D120値0.2分として、12D;0.2×12=2.4)。
FDA エフディーエー Food and Drug Administration(米国食品医薬品局)。 食品や医薬品、さらに化粧品、医療機器、動物薬、玩具などについて、その許可や違反品の取締りなどの行政を専門的に行う米国の政府機関。
エロモナス エロモナス エロモナス属菌のうちA. hydrophila /A. sobria(エロモナス・ハイドロフィラ/ソブリア)が下痢症をおこす食中毒菌として知られている。エロモナスは淡水域の常在菌で、河川、湖沼、その周辺の土壌および魚介類等に広く分布している。また、河川水のみならず沿岸海水からもよく分離される。熱帯・亜熱帯地域で分離されることが多く、国内での集団感染の事例は報告されていない。
塩化ベンザルコニウム エンカベンザルコニウム 陽イオン界面活性剤の一種。四級アンモニウム塩の混合物で水溶液は手指や調理器具の殺菌・消毒剤に用いられる。通常の石鹸は陰イオン界面活性剤であり、逆の電荷をもつため逆性石鹸とよばれるが洗浄力はなく、石鹸と同時に使うと効果が相殺される。殺菌剤として、グラム陽性菌には効果的だが、陰性菌には効果弱く、結核菌やウイルス、真菌類には効果がない。
塩蔵 エンゾウ 塩漬け。食品の保存法として古くから用いられてきた方法。主に食塩により食品の水分活性を低下させ微生物の生育を抑制し貯蔵性を高める。そのほかにも細菌の酵素作用を阻害するなど、複合的な微生物抑制効果がある。
エンテロトキシン エンテロトキシン 細菌が産生して腸管に作用する下痢毒素を総称してエンテロトキシン(enterotoxin)と呼びます。サルモネラ菌、ウェルシュ菌、セレウス菌などが産生しますが、特に黄色ブドウ球菌が産生する耐熱性を持つエンテロトキシンが有名。A~Eの5個の毒素型に分類される。
エンテロバクター エンテロバクター Enterobacter属。腸内細菌科(Enterobacteriaceae)に含まれるグラム陰性通性嫌気性の桿菌であり、多くの株は乳糖分解能を持ち大腸菌群に含まれる。土壌、水、下水、ヒトや動物の腸管、様々な食品から分離され、食品の変敗にも関与する。
黄色ブドウ球菌 オウショクブドウキュウキン Staphylococcus aureus。ヒトやその他の哺乳類、鳥類など温血動物の皮膚、咽喉、消化管などに広く分布するブドウ球菌科(属)の1菌種で、食品中で増殖するとエンテロトキシンと呼ばれる毒素を産生する食中毒起因菌である。
黄変米 オウヘンマイ ペニシリウム属などのカビが繁殖して黄色に変色したコメのこと。カビが生成するカビ毒がヒトに肝機能障害や腎臓障害など重篤な危害を引き起こすことがある。カビ毒はマイコトキシンと総称されるが、この毒素は加熱に強い性質を持つものが多く、炊飯後など菌体が死滅しても中毒症状は発症する。
オートクレーブ オートクレーブ 主に医療用、微生物検査用の高圧高温蒸気滅菌器を指す。オートクレーブによる滅菌は、ほとんどの細菌や細菌胞子を不活化できる122℃、2気圧、15-20分程度の処理により行われる。
オクラトキシン オクラトキシン マイコトキシン(カビ毒)の一種で、Aspergillusu ochraceusグループやPenicillium verrucosumが産生として知られている。オクラトキシンは化学構造の違いからAおよびBに分類される。
汚染指標菌 オセンシヒョウキン その食品が清潔に扱われたかを判断する指標としておこなわれる検査項目。一般生菌や大腸菌群などが該当する。
オゾン オゾン 酸素は通常2個の酸素原子が結合しているが、オゾンは3個の酸素原子からなる酸素の同素体。不安定であり、腐食性が高く、生臭く特徴的な刺激臭を持ち高濃度では人体に有毒である。強力な酸化力を持ち、殺菌や消臭、脱色、有機物の除去などの作用があり、欧米では水道水の浄化などにも用いる。
用語 読み 解説
加圧殺菌 カアツサッキン 高圧殺菌とも呼ばれる。一般的には食品に100MPa(メガパスカル)以上の静水圧をかけて殺菌すること。より高圧条件にするほど殺菌効果は高くなるが、装置的に400MPa程度が限界と言われている。加熱による殺菌に比べ、風味や品質を損なうことなく殺菌ができるという利点があるが、大量生産には向かず、一部のジュースなどに用途は限定されている。
カード カード 凝乳。生乳にレンネット(凝乳酵素)や有機酸などを加えると白いふわふわした固形分と液体(乳清、ホエー)に分離する。この固形分がカードと呼ばれ、チーズなどの原料となる。
解凍 カイトウ 周辺温度や品温が上がることで食品などが冷凍(凍結)状態から、解けたこと。
界面活性剤 カイメンカッセイザイ 性質の異なる二つの物質(水と油など)の界面(境界面)で互いの表面張力を弱め親和性を高めるような働きをする物質。石鹸など洗剤の主成分として用いられる。
拡散集落 カクサンシュウラク =拡散コロニー。寒天平板上で表面などに沿って広がって大きく生育した微生物集落(コロニー)のこと。コロニーの計数や分離の障害となることがある。大腸菌群検査で培地を重層するのは、拡散集落の発生を抑える目的でもある。
過酸化臭 カサンカシュウ 食品の腐敗によって発生する異臭のひとつ。微生物作用により発生した酪酸、イソ吉草酸、プロピオン酸などの臭い。
過酸化水素 カサンカスイソ 水分子(H2O)に酸素原子がひとつ余分にくっついた液体(H2O2)。不安定な物質で、酸化力が強く、腐食性が高い。殺菌剤や漂白剤として用いられる。低濃度のものはオキシフル(オキシドール)として家庭用消毒薬として有名。
ガス殺菌 ガスサッキン 殺菌剤をガス状またはエアロゾル状態で用いる殺菌方式。主にEOG(エチレンオキサイトガス)やホルムアルデヒドなどが医療器具、衣料品、室内環境の殺菌・消毒に利用される。
カタラーゼ カタラーゼ 過酸化水素を酸素と水に触媒する生体酵素。動植物や微生物の細胞に広く分布し、特に動物の肝臓,腎臓,赤血球,ブドウ球菌の一種などに多く含まれる。
カタラーゼテスト カタラーゼテスト カタラーゼが含まれる物質に過酸化水素を添加すると、分解され酸素が発泡する。この反応を利用した試験法。カタラーゼは酵素(タンパク質)なので加熱により不活化する。例えば、動植物由来の物質に実施すると加熱履歴が確認できる。また、乳酸菌はカタラーゼを持つので、判別のためカタラーゼテストをおこなう。
カテキン カテキン 狭義には化学式:C15H14O6で表されるフラボノイドの一種。広義にはその誘導体となるポリフェノールを含む、茶の渋み成分。茶カテキンには抗酸化作用や血圧の上昇抑制、コレステロールや血糖値調節、殺菌、消臭などのさまざまな生理作用を示すことが知られている。
加熱後摂取冷凍食品 カネツゴセッシュレイトウショクヒン 食品衛生法により規定された「食品の規格基準」の分類で、冷凍状態で販売され、消費者が喫食する前に加熱処理を行うことを前提として製造された食品。さらに規格としては「凍結直前に加熱されたもの」、「凍結直前に加熱されたもの以外」の2種類に細分類されている。
加熱殺菌 カネツサッキン 食品調理の現場で最もよく利用される熱を加えて微生物を不活化する殺菌方法。
カビ カビ カビとは一般的に菌糸と呼ばれる糸状の細胞からなり、胞子によって増殖する菌類を指す。原核生物である細菌とは異なり、動植物などと同じ真核生物である。どこにでも存在し、ヒトの生活環境では、例えば室内で湿気の多い場所や、食品中でよく生育する。
カビサイジン カビサイジン 放線菌の一種から抽出された抗生物質の一種。通常の抗生物質が主に細菌類を対象とするのに対して、カビや酵母など真菌類の生育を抑制し、細菌に影響しない性質を持つ。例えば、一般生菌検査で酵母やカビなどを抑制し、細菌のみの菌数を計測したい場合など、培地に添加して使用することがある。
カビ臭 カビシュウ カビが発生する臭気。臭気物質であるジオスミンやジメチルイソボルネオールの臭いを指すことが多い。これらの化学物質の標準液をつかってカビ臭の判定を行うことがある。
カビ毒 カビドク カビが産生するヒトや家畜の害となる毒素の総称。=マイコトキシン。 アスペルギルス、ペニシリウム、フザリウムの3属が原因となるものがほとんど。有名なものとして、アフラトキシン、オクラトキシン、シトリニンなどを含む。
芽胞菌 ガホウキン 外的因子に対して耐久性の高い芽胞と呼ばれる細胞構造を持つ菌の総称。芽胞は細菌胞子や内生胞子とも呼ばれ、有胞子細菌、胞子形成菌と表示される場合もある。衛生に関わる細菌ではバチルス(Bacillus)属、クロストリディウム(Clostridium)属が重要である。芽胞は耐熱性、耐薬剤性などが細菌本体に比べて高く、通常の加熱調理では完全に死滅しない。オートクレーブ滅菌やレトルト殺菌は芽胞菌の不活化を目的とした減菌方法である。
カルキ カルキ カルキとはサラシ粉(次亜塩素酸カルシウムなど)の別名。一般的には次亜塩素酸を指すことが多い。カルキ臭とは消毒や漂白で使用されるサラシ粉や次亜塩素酸ナトリウムの臭いを指す。
乾式培地法 カンシキカバイチホウ 食品衛生検査指針微生物編2004で示された細菌検査法の1種。寒天平板など水分を多く含む培地に代わり、成分を塗抹して乾燥させたシート型やシャーレ型の培地を使用する。
乾性カビ カンセイカビ =好乾性カビ
感染 カンセン 動植物組織などに微生物が侵入し、定着あるいは増殖する過程全般を指す。具体的には、病原微生物が身体に侵入して病気が発症することなど。
感染型食中毒 カンセンガタショクチュウドク サルモネラ、腸炎ビブリオのなどの病原微生物が食品と一緒に経口摂取され、腸管内などに侵入して増殖することで発生する食中毒。比較的少量の菌の接種で発症する。
乾燥食品 カンソウショクヒン =低水分食品。水分は15%以下で、Aw(水分活性)0.65以下のよく乾燥された穀物、香辛料、粉乳、焼菓子、乾燥野菜など。水分が少ないためカビを含むほとんどの微生物が増殖せず、長期保存が可能である。ただし、吸湿性に富むため、包装や保存状態が悪いと水分活性が高まり、変敗する。
寒天 カンテン テングサ(天草)、オゴノリなどの紅藻類の粘液質を凍結・乾燥したもので、ゼリーや羊羹など製菓材料としてよく利用される。その性状から微生物培養のため培地の基質としても利用される。
官能評価(検査) カンノウヒョウカ(ケンサ) 機器や分析による理化学的方法ではなく、人間の感覚(視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚など)で食品の品質や変化を評価する方法。 食品の風味や味の変化や差異は、理化学的方法ではとらえにくいため、官能的評価が欠かせない。
緩慢凍結 カンマントウケツ 対象物(食品など)をゆっくりと凍らせること。意図的に行う場合もあるが、多くは急速凍結の対義語として使われる。一般的に急速凍結と比べて、解凍後品質の劣化につながる。
危害分析 キガイブンセキ Hazard Analysis。食品の衛生管理手法として有効とされるHACCP方式の一部(HA)。製造する食品の製造について、過去の事例や経験に基づき、想定できる危害を洗い出し、分析を行うこと。
偽菌糸 ギキンシ =仮性菌糸。糸状菌(カビ)の菌糸に対して、本来菌糸体を形成しない酵母などが菌糸のような形状をとること。生育環境の変化などで発生することがある。
寄生虫 キセイチュウ 宿主(しゅくしゅ)とよばれる他種類の生物の体表や体内に取りつき、環境と食物を依存している動物。寄生虫は種類によってそれぞれ固有の宿主をもち、その宿主の一定の部位に寄生する。
揮発性塩基窒素 キハツセイエンキチッソ =VBN(volatile basic nitrogen)。食品腐敗のひとつの尺度として測定される項目。食品中に含まれるたんぱく質、アミノ酸などの含窒素成分が微生物作用などにより、アンモニアやトリメチルアミンなど腐敗臭の原因となる揮発性アミンに分解される。この量がVBNで、一般的に30mg%を超えると初期腐敗、50mg%以上を完全な腐敗の目安にしている。
逆性せっけん ギャクセイセッケン 陽イオン界面活性剤の一種。通常の石鹸が水中で陰イオンになるのに対して、逆に陽イオンになる性質を持つものを逆性石鹸とよぶ。通常の石鹸のように洗浄力は強くないが、消毒やリンス効果を示す。食品衛生の現場では「塩化ベンザルコニウム液」を逆性せっけん液として手指の殺菌剤などに利用する。通常の石鹸と混ざるとお互いの効果を相殺するので、手洗い時には石鹸を十分洗い流してから、逆性せっけんで消毒する必要がある。
Q熱リケッチア キューネツリチッケア リケッチア(菌)の一種によっておこる人畜共通の熱性伝染病。オーストラリアのクイーンズランドで初めて発生が見られたので、頭文字をとってQ熱という。家畜のダニからヒトに感染し、突然発熱して激しい頭痛や不快感を伴い、肺炎をはじめ、肝炎、心嚢(しんのう)炎、髄膜炎などを併発することもある。治療にはクロラムフェニコールやテトラサイクリンなどの抗生物質が有効。
競合 キョウゴウ 複数の要因が互いに影響し合ってそれぞれの活動を停止あるいは抑制される状態。
共生 キョウセイ 種類の異なる複数の生物が相互関係を持ちながら、同所的に生活する現象。共生関係にある生物間で利害関係がわかりやすいものは、相利共生、偏利共生、偏害共生など名称で呼び分けられる。寄生も共生の一形態である。
気流式殺菌 キリュウシキサッキン 殺菌処理の難しい、乾燥粉末などを処理するために開発された殺菌方法。100℃以上に管理した過熱蒸気に粉体をさらすことで、短時間で品質に影響の少ない殺菌処理が可能になる。
菌糸 キンシ 菌類の体を構成する、糸状の構造のこと。一般にいうカビやキノコなどは、主に菌糸が寄り集まったもので構成される。菌類でも酵母は菌糸を持たず、菌糸構造を持つものを糸状菌と呼ぶこともある。
菌相 キンソウ =菌叢、ミクロフローラ。通常の食品には複数の菌種がふくまれ、それぞれが互いに影響しながら、ある種の平衡状態を保っている。このような特定の状況に存在する微生物の分布を全体的にとらえたものが菌相である。菌相はずっと一定ではなく、時間経過や周囲の環境変化に影響され構成菌群が適応的に変化していく(遷移)。
菌類 キンルイ 菌類とは、分類学的に菌界に属する生物のこと。主に真菌類(カビ、酵母、キノコなど)。
空中浮遊菌 クウチュウフユウキン 環境空気中に浮遊して存在する微生物のこと。また、その検査法のことを指す場合もある。空中に浮遊する微生物は多くの場合、空気中のホコリや水滴に付着して浮遊または落下している。
クモノスカビ クモノスカビ ケカビ科に属するRhizopus(リゾップス)の和名。菌糸がクモの巣に似た状態に見えるため命名された。条件が良ければ著しい成長を見せ、一晩で培地全面に拡散することもある。インドネシアでは茹でた大豆にクモノスカビを生やしてテンペ(Tempeh)という食品をつくる。
グラム染色法 グラムセンショクホウ ハンス・グラムによって発明された細菌の染色法。この方法により細菌は大きく2種類に分類される。紫色に染色→グラム陽性。赤色に染色→グラム陰性。この染色性の違いは細胞膜の性質の違いに起因し、両者の生物的な特性の違いを表している。
クリーンベンチ クリーンベンチ 生物的な実験などに利用する、ホコリや混入微生物を防ぐための囲い式装置。箱のような形状で内部をHEPAフィルターなどでろ過した清浄空気で陽圧に管理して外部からの汚染を防ぐ。
クロラムフェニコール クロラムフェニコール Streptomyces venezuelae由来の抗生物質。多くの微生物に有効だが、ヒトに用いると再生不良性貧血など造血器官に重大な副作用をもたらす可能性があるため、投与は代替手段がない場合に限られる。 真菌の検査で細菌の抑制剤としてよく用いられる。
蛍光法 ケイコウホウ 物質によっては光を当てると、そのエネルギーを一旦吸収した後に逆に発光(蛍光)してエネルギーを放出するものが存在する。この蛍光の強さはその物質の存在量と関係があり、その原理を利用して目的物質の濃度を求める方法。
K値 ケーチ 生鮮食品などの鮮度指標として用いられる。生体エネルギー源であるATPが生物の死後、比較的緩やかに不可逆的に分解・変化することから、その変化の程度を測定し数値化することで、鮮度を判断する。
ケカビ ケカビ ケカビ属(Mucor、ムコール)の総称。ケカビは、接合菌の中でもっとも普遍的に見られる種で、土壌、糞、食品、その他、様々な湿った有機物上に出現する。
結核菌 ケッカクキン =Mycobacterium tuberculosis、ヒト型結核菌。ヒトの肺結核症の原因となる細菌で1882年にロベルト・コッホが発見した。グラム陽性の好気性桿菌。抗酸菌とも呼ばれるマイコバクテリウム属細菌で、細胞構造や培養条件など多くの点で他の一般的な細菌と異なる点が多い。消毒薬や乾燥に強い。成長が遅く、分離培養に1~3週間以上かかることもある。
結合水 ケツゴウスイ 食品中で食品成分などと結合して存在する水分。反対に結合しておらず、比較的簡単に蒸発したり、食品微生物が生育に利用したりできる水分を自由水という。
血清型 ケッセイガタ 細菌の菌種を、細胞にある抗原の構造の違いに基づいて細かく分類する方法。血清型は細菌のもつ抗原(菌体抗原、莢膜抗原、鞭毛抗原など)の組み合わせで表わされる。例えば、病原大腸菌は種としてはすべてEscherichia coli だが、さらに血清型で細分しO157:H7などO抗原(菌体抗原)とH抗原(鞭毛抗原)の組み合わせで表わされることが多い。
嫌気性芽胞菌 ケンキセイガホウキン =嫌気性有胞子細菌。芽胞を作る細菌の中で、特に嫌気的(酸素がない)条件で生育するクロストリディウム(Clostridium)属細菌を指すことが多い。
嫌気性菌 ケンキセイキン 酸素の要求性による細菌の分類法のひとつで、酸素がない状態で生育するものを嫌気性菌という。さらに嫌気性菌は酸素があってもなくても生育する通性嫌気性菌と酸素が存在すると生育しない絶対(偏性)嫌気性菌に分けられる。
嫌気性パウチ ケンキセイパウチ 嫌気性の細菌を無酸素状態で培養するための培地容器である。
原生動物 ゲンセイドウブツ 生物の分類の一つで、真核生物のうち、菌界にも植物界にも動物界にも属さない生物を原生生物とよび、そのうち動物的なものを指す。原虫ともよばれ、アメーバやゾウリムシなどが含まれる。
検体 ケンタイ 検査に供する試料のこと。
検便 ケンベン 病気の有無、寄生虫、細菌の有無を調べるために排泄された大便を検査すること。食品を扱う調理従事者、保育介護関係者、水道管理事業従業員などは定期的な検査が必要とされている。
好アルカリ菌 コウアルカリキン 生育環境のpHが9以上(アルカリ性)を好む微生物。pHが9以上でなければ生育しない偏性好アルカリ菌と、9以上を好むがそれ以下でも生育可能な通性好アルカリ菌が存在する。
好塩菌 コウエンキン 食塩0.2mole(約1.2%)以上の環境で最もよく生育する細菌を指す。さらに至適な塩分濃度により、低度好塩細菌(1.2~3.0%)、中度好塩細菌(3.0~15.0%)、高度好塩細菌(15%~飽和)に分けて考えられる。ビブリオ属細菌は好塩性細菌で、食中毒の原因となるVibrio parahaemolyticus(腸炎ビブリオ菌)は低度好塩細菌であり、食塩がないと生育できない。
好塩性酵母 コウエンセイコウボ =耐塩性酵母。13%以上の食塩濃度でも生育可能な酵母。耐塩性を持つものは合わせて耐糖性を持つものも多い。味噌や醤油の醸造に関わるZygosacch rouxiiなどが代表的。
好温カビ コウオンカビ 多くのカビの至適生育温度は20~30℃だが、40~45℃付近が至適で60℃くらいまで生育可能な菌種が存在する。このようなカビを好温カビとよび、通常の培養条件(温度)では検出できない。
高温細菌 コウオンサッキン =好熱細菌。生育に至適な温度が45℃以上の細菌。
恒温試験 コウオンシケン 一定の温度を保つことができる恒温器内などに検体を収納して実施する保存試験。
高温短時間殺菌 コウオンタンジカンサッキン =HTST殺菌。牛乳など液体で利用される殺菌方法。牛乳では120~130℃で2秒程度の加熱が主流になっている。効率的に処理が行え、ビタミンなどロスが少なく品質に影響を与えにくいと言われているが、一瞬でも高温にさらされることで易変する成分もあり、こと牛乳においては低温長時間殺菌のほうが、好まれる傾向がみられる。
好乾性カビ コウカンセイカビ =低湿性カビ。多くのカビが湿気を好むのに対して、乾燥を好むカビで水分活性が0.65~0.8の範囲でのみ生育するカビ。風呂場など湿気の多い場所ではなく通常の室内に普通に存在し、ハウスシックの原因のひとつではないかと言われている。
好気性菌 コウキセイキン 酸素の要求性による細菌の分類法のひとつで、酸素がある状態で生育するものを好気性菌という。酸素がなければ生育できない菌を偏性好気性菌といい、多くのカビや球菌類、バチルス属などが含まれる。また、酸素が必要だが、大気圧より低い酸素濃度(酸素分圧)でないと生育できない多くの乳酸菌やカンピロバクターなどを微好気性菌と呼ぶ。
好気性有胞子細菌 コウキセイユウホウシサイキン =好気性芽胞菌。芽胞を作る細菌の中で、特に好気的(酸素がある)条件で生育するバチルス(Bacillus)属細菌を指すことが多い。
抗菌性 コウキンセイ 菌の生育を阻害・抑制する機能を指す。
コウジ 米、麦、大豆などの穀物に、コウジカビなどを中心にした微生物を繁殖させたもの。日本酒、味噌、食酢、漬物、醤油、焼酎、泡盛など、発酵食品を製造するときに用いる。コウジカビだけでなく、その他のカビや酵母、細菌なども含み、その菌相は醸造元ごとに異なる。
コウジカビ コウジカビ ごく普通に見られる不完全菌の一つであるAspergillus属の和名。この属に含まれる菌が日本酒や味噌などの醸造に必要な麹に利用されてきた経緯で名付けられた。ただし、有用な菌種だけでなく、コウジカビの仲間にはヒトに感染して病気を起こすものや、食品に生えたときにマイコトキシン(カビ毒)を産生するものがあり、衛生管理上重要な菌種。
好湿性カビ コウシツセイカビ 水分活性0.88以上で生育する比較的水分要求の高いカビ。
好浸透圧酵母 コウシントウアツコウボ =耐糖性酵母。高濃度の糖が存在する環境で生育できる酵母。高糖度食品である蜂蜜やシロップ、ジャムなどの変敗原因となる。
抗生物質 コウセイブッシツ 主として微生物が他の微生物の生育を阻害するため産生する物質。主に薬用として使用され、食品に使用することはできない。化学構造と活性の違いにより、ペニシリン系、セファム系、テトラサイクリン系などいくつかのグループに分けられる。
酵素基質法 コウソキシツホウ 微生物検査において、対象微生物が特異的に保有、産生する酵素の活性を判定の指標とする方法の総称。検査培地に特定の酵素に反応する物質を添加して、培養中のコロニーや培養液の呈色反応あるいは蛍光反応を観察する。検査法の単純化・標準化に効果的だが、完全に従来法に置き換わる精度はまだ望めない。
高度サラシ粉 コウドサラシコ =次亜塩素酸カルシウム。有効塩素を60%以上含む粉末または粒状物質で、食品の殺菌や漂白に利用される。
酵母 コウボ 菌糸構造を持たず、生活環の大半が単細胞性を示す真菌。出芽や分裂により増殖する。真菌は非常に多様性のある生物で、分類上カビと酵母を明確に区分することはできない。
好冷細菌 コウレイサイキン 生育に最適な温度が15℃以下、最高20℃~最低0℃以下で活動できる細菌。食品中での存在はきわめてまれ。
5S ゴエス =5S運動。整理・整頓・清掃・清潔・躾の5項目を指し、製造業やサービス業の労働環境改善のためのスローガン。
CODEX コーデックス =国際食品規格委員会、コーデックス委員会。1962年FAO(国際連合食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)によって設置された政府間組織。国際的な食品基準を定めることで消費者の健康と権利を守り、貿易の公正さを確保するために設立された。180カ国以上が参加し、事務局はローマのFAO本部にある。
小型球形ウイルス コガタキュケイウイルス =SRSV。1968年米国で集団発生した「ノーウォークウイルス(Norwalk virus)」に始まり、世界各地でよく似た形状のウイルス性腸炎が発生したため、これらを小型球形ウイルスと呼んだ。ただし、現在では研究が進み、ノロウイルス属、サポウイルス属などに分類され、食品衛生で小型球形ウイルスという用語を用いることはない。
枯草菌 コソウキン 主にBacillus subtilisという細菌を指すが、Bacillus属細菌を指すこともある。枯れた草の表面から良く分離されるので、この名称がついた。グラム陽性の好気性芽胞形成細菌で、耐熱性が高い。熱湯消毒した稲ワラで煮豆をくるんで保存すると、枯草菌の一種である納豆菌(Bacillus subtilis var. natto)の作用により、納豆ができる。
コリネ型菌群 コリネガタキングン =下位放線菌。グラム陽性好気性の桿菌。放線菌と同様に土中や水中、あるいは動物の表皮などにもみられる。グルタミン酸などの生成菌として産業上重要。
コロニー コロニー 検査においては微生物が集まって形成される菌集落のこと。
コロニーカウンター コロニーカウンター 寒天平板を用いた微生物の定量試験では、培地上に出現したコロニーを計数するが、そのプロセスを補助する器具のこと。手作業を補助する照明器具などを組み合わせたタイプと、光学デバイスとコンピューターを組み合わせた自動タイプがある。
コンマ状菌 コンマジョウキン ビブリオ属細菌など細胞が湾曲している形状の菌をコンマ状菌と呼ぶ。
コンラージ棒 コンラージボウ 菌を含む検液を寒天培地などの表面に均一に塗抹するための棒状の器具。一般的にはスクレイパーのような形状をしている。ガラス棒を加工したものが多かったが、最近はプラスチック製の使い捨てタイプも多い。
用語読み解説
最確数サイカクスウ=MPN(Most Probable Number)。微生物は食品中でポアソン分布という、不均一な状態で存在し、少量のサンプル検査からより正確な食品全体の菌数を計測することは非常に困難です。最確数(法)とは主に試験管による微生物検査で、陽性試験管の本数から確率論的に菌数を推計する方法です。
最確数表サイカクスウヒョウ最確数法で検査する際、陽性試験管の本数をあてはめて推定菌数を求める表です。
細菌サイキン動物や植物、菌類などの真核生物に対し、細胞核を持たないごく微小な原核生物が細菌である。さらに性質の違いから真正細菌と古細菌に分類される。古細菌はメタン菌・高度好塩菌・好熱好酸菌・超好熱菌など、極限環境に生息する生物として認知されており、ヒトの生活圏でみられるものは、ほとんど真正細菌である。通常0.1~数μmで球形や桿形、ラセン形の形状を持つ。真正細菌だけで約7000種が認知されているが、実際には100万種以上存在すると考えられている。
細菌胞子サイキンホウシ=芽胞。
最小生育阻止濃度サイショウセイイクソシノウド=MIC(minimum inhibitory concentration)。抗菌性を持つ物質が細菌の生育を抑えることのできる最小濃度のこと。試験的には平板寒天培地上などに目視できるようなコロニーを作らない濃度を指す。殺菌ではなく静菌のための濃度。ちなみにエタノール(アルコール)の一般の細菌に対するMICは8~11%と言われる。
細胞侵入性大腸菌サイボウシンニュウセイダイチョウキン=腸管侵入性大腸菌(EIEC)。病原性を示す大腸菌のうち、細胞侵入性をもつ。症状は下痢、発熱、腹痛など赤痢と同様の症状を示す。国内の発生例の多くは旅行者下痢症。
サカゲカビサカゲカビRhizidiomyces。かつては鞭毛菌類含まれるカビと認識されていたが、今は菌類ではなくより下等な原生生物の1種とされている。食品加工にはあまり関与しない。
酢酸サクサン=acetic acid。化学式:C2H4O2 または CH3COOHで表わされる、いわゆる食酢に含まれる有機酸。食用用途は微生物作用によって作られ、工業用は化学合成によって製造される。食品に含まれる有機酸のうち最も抗菌性は高いといわれている。
酢酸菌サクサンキンアセトバクター属 (Acetobacter)を指す。酢酸菌はアルコールを酸化させて酢酸を作るため、食酢の醸造に古くから用いられてきた。反面、アルコール飲料では、アルコールを酸化消失させるので有害となる。
酢酸発酵サクサンハッコウ微生物作用により、酢酸が生成されること。酢酸菌が関与するアルコールを酸化して酢酸を生成する酸化的発酵と、ある種のクロストリジウムによる無気的発酵がある。無気的発酵は糖から直接酢酸を作ることができるが、クロストリジウムは酸に弱いため、効率が悪く、利用されていない。
殺菌剤サッキンザイ菌を殺す(不活化する)化学的薬剤。さまざまな薬剤が知られており、医療用、工業用、食品用など用途により使い分けられる。食品に使用できる殺菌剤はエタノールや次亜塩素酸ナトリウムなどに限定される。
殺菌水サッキンスイ殺菌された水。無菌という意味ではない。
サルモネラ属菌サルモネラゾクキンヒトや動物に対して、チフス症や急性胃腸炎などを起こす多くの菌を含む属である。グラム陰性通性嫌気性の桿菌で周鞭毛を有し運動性を持つ。生化学的性状によってⅠ~Ⅴの5亜属に分類され、さらにOおよびH抗原の組み合わせにより2,000以上の血清型に分けられる。
酸化還元電位サンカカンゲンデンイ=ORP(Oxidation-reduction Potential)。物質の電子の放出しやすさ、あるいは受け取りやすさを示す尺度となり、単位はボルト(V)で表す。細菌学では、好気性・嫌気性という言葉で細菌を区別することがあるが、これは単に周辺環境の酸素の有無によってのみ、判断されるものではなく、酸化還元電位に左右され、一般的には好気菌で+200mV以上、嫌気菌は-200mV以下でなければ生育しない。
酸性洗剤サンセイセンザイ界面活性剤に効果を高めるため、酸性物質を加えているもの。 酸には細菌の細胞膜を破壊したり、生育に必要な酵素を破壊したりする効果があります。また、トイレ用洗剤として尿石やその他ミネラル汚れを分解する働きがあります。
酸素要求性サンソヨウキュウセイ微生物の分類方法には、生育に酸素が必要かどうかを尺度として表す場合があり、これをその細菌の酸素要求性と呼びます。
サンプリングサンプリング母集団から一定量の検体(サンプル)を抜き出す作業を指します。
酸膜酵母サンマクコウボ液体培地に乾燥した皮膜を作る酵母。Pichia,Debaryomuces,Hansenulaなどを含む。
次亜塩素酸ジアエンソサン化学式HOClとして表され、次亜塩素酸ナトリウムや高度サラシ粉の殺菌作用や漂白作用の主体である。
塩漬けシオヅケ低水分活性による微生物抑制技術である。立塩法と撒塩法とがあり、立塩法では溶存酸素が少なく、酸化防止や好気性菌の生育抑制効果が大きい。また、両方とも耐塩、好塩菌の増殖、さらに撒塩法では脂質の酸化がみられる。
紫外線シガイセン通常254nm付近の波長の紫外線が最も殺菌力が強く、芽胞に対しても強い殺菌力を持つ。しかし、γ線と異なって物質透過性が弱く、物の陰になっている細菌にはまったく効果がなく、また水中に存在する細菌には、表面より2~3cm以内でなければ作用しない。主にガラス、プラスチックなどの表面が平滑なもの、施設、設備水または医薬品などの滅菌、殺菌に用いられる。
シガテラ毒シガテラドク主に熱帯に生息するプランクトンが作り出す毒素によって汚染された魚介類を喫食したときに発生する食中毒。シガテラ毒としてはシガトキシン、スカリトキシン、マイトトキシン、シガテリンなどが知られている。シガトキシンは熱に強く、汚染された魚介類を加熱しても、食中毒が発生する。
色素産生菌シキソサンセイキン生育過程で色素を産出する菌。たとえば、緑膿菌では「ピオシアニン」という緑色の色素や「ピオベルジン」という蛍光性黄緑色の色素を産生する。
市場病シジョウビョウ野菜や果実が収穫してから消費に至る一連の過程で植物病害微生物により危害をうけること。軟腐病や灰色かび病など、野菜や果実の市場価値を著しく低下させる。
実体顕微鏡ジッタイケンビキョウ比較的低倍率(2-30倍程度)で、観察対象を薄切標本などにせず、そのままの状態で観察するための顕微鏡である。
湿熱シツネツ(対義語=乾熱)湿度の高い状態、もしくは水分中で物体を加熱すること。
子嚢シノウ子嚢菌門は分類として真菌類中で大きな割合を占め、微小な子嚢(しのう)を形成しその中に減数分裂によって胞子を作るのを特徴とする。子嚢では一連の体細胞分裂に続く減数分裂の結果、4ないし8個(または8の倍数)の子嚢胞子が形成される。
シャーレシャーレペトリ皿とも呼ばれ、もともとは微生物の培養実験で用いられるガラス製の平皿であり、寒天培地を平板培地として使用するものである。現在では、一時的な容器(サンプル捕集容器など)として広く科学実験で使用されるようになっている。
JAS規格ジャスキカクJAS規格とは、農林水産大臣が農林物資について定めた日本農林規格(Japanese Agricultural Standard)の通称で、①食品等の品質の改善 ②生産の合理化 ③取引の単純公正化 ④使用又は消費の合理化を図り、もって公共の福祉の増進に寄与することを目的としている。
JAS規格は一般に ①適用の範囲、②定義、③基準、④測定の方法から 構成されており、基準として、
・品位、成分、性能その他の品質についての基準を定めたもの (一般JAS規格)
・生産方法についての基準を定めたもの (特定JAS規格)
の2種類のタイプの規格がある。
自由水ジユウスイ水分活性の考え方において、結合水とは反対に食品と化学的、物理的に結合せずに存在する水分である。比較的蒸散しやすく、食品中で微生物が生育するときは、この水分を利用するため、自由水のコントロールが食品の保存性を高めることにつながる。
従属栄養細菌ジュウゾクエイヨウサイキン有機栄養物を比較的低濃度に含む培地を用いて低温で長時間培養したとき、培地に集落を形成するすべての菌をいう。主に水中では貧栄養状態にあるため、このようなに環境に長期間存在する菌は逆に栄養物が多い環境では、生育が難しい。
重要管理点ジュウヨウカンリテンCCP(Critical Control Point)。HACCPの後半部で重要管理点管理とも訳する。HACCPの手法ではHA(危害分析)を行い、それをコントロールできる重要管理点を定め、常時モニタリングや衛生管理など行うことで、危害の発生を抑えるというものである。
集落数シュウラクスウ=コロニー数。培地上や食品上に発生した菌集落の数を指す。
出芽シュツガ生物が個体数を増やす方法のひとつで、親の体にある部分から、子の体が次第に大きくなり独立していく。植物の芽が伸びていく様に似ており、無性生殖のひとつである。酵母は親細胞の端から、小さな出芽細胞が膨らんで、親細胞と同程度の大きさになって独立する。
酒母シュボ酵母にはブドウ糖をアルコールに変える働き、すなわち発酵作用がある。清酒の製造工程で大量に酵母を増殖させた状態を酒母もしくは酛(もと)といい、その名の通り、清酒の母親のようなものである。
商業的殺菌ショウギョウテキサイキン滅菌とは、加熱などによりその食品に存在する菌を完全に失活させることだが、現実問題として、一部のレトルト食品にのみ使用されるにとどまる。多くの加熱食品では、中心温度で75℃-1分といった、すべての菌を殺菌するわけではなく、特に危害度の高い微生物の殺菌を目的とした、加熱殺菌方法がとられる。
消毒ショウドク微生物の感染力をなくすために処理すること。
消毒剤ショウドクザイ化学的機序により微生物やウイルスなどを死滅させ、感染力を失わせることを目的として使用される薬物の総称であり、一般的にはすべての微生物を死滅させるわけではなく、TPOに合わせた使用が必要となる。
上面酵母ジョウメンコウボビールを醸造する酵母。発酵が進むと酵母が液面に浮上するのでタイプこのような呼称で呼ばれる。
蒸留水ジョウリュウスイ蒸留によって精製された水のこと。日本薬局方などではpHや不純物について純度が規定されている。化学実験,薬剤の調合などに使用され、気中に放置すると炭酸ガスを吸って弱酸性(pH5.7くらい)になる(平衡水)。無菌の水のことではない。
初期腐敗ショキフハイ腐敗の初期段階。腐敗生成物がまだ少なく、官能的には評価しにくい。微生物検査や理化学検査で確認される。
除菌ジョキン微生物の死滅は伴わずに、食品にもともと汚染している微生物を、洗浄、ろ過、遠心分離などにより食品や製造環境から取り除き、ヒトの健康を損なわないレベルにまで低下させること。
食中毒ショクチュウドク食中毒には、以下のようなものがあります。
●細菌性食中毒:
食中毒菌に汚染された食品を摂取することによって起こるもので、感染型と毒素型があります。
●ウイルス性食中毒:
ノロウイルスが付着した加熱不十分な食品を食べたときなどに起こり、二次汚染も多発しています。
●食品寄生虫、カビ毒による食中毒:
食品寄生虫やクリプトスポリジウムなどの原虫、カビ毒によるものがあります。
●自然毒による食中毒:
自然毒を含む動植物を食べて起こす食中毒です。
♦動物性自然毒
フグ毒…テトロドトキシンと呼ばれる神経毒で、一般に血管の多い肝臓と卵巣がもっとも危険。
貝毒…有毒プランクトンを食べたアサリ、バイガイ、ホタテガイなどが毒化し、下痢性、麻痺性の食中毒が毎年のように全国で発生。
♦植物性自然毒
食用種と誤って食べ、中毒を起こします。
有毒キノコ…タマゴテングダケ、イッポンシメジなど
有毒薬草…ハシリドコロ、ドクゼリ、ジギタリスなど
その他…青酸含有植物(輸入雑豆、杏、梅)など
●化学物質による食中毒
発生頻度は少ないが、本来は安全である食品でも、有毒化学物質に汚染され中毒症状を起こすことがあります。
●その他の食中毒
食品中で生成されたヒスタミンにより発症するアレルギー様食中毒があります。(通常30~60分で発症)。
食鳥検査法ショクチョウケンサホウ食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律。第7章および附則からなり、「食鳥 鶏、あひる、七面鳥その他一般に食用に供する家きん」の処理や検査に関する内容が規定されている。
食品衛生法ショクヒンエイセイホウ食品の安全性の確保のために公衆衛生の見地から必要な規制その他の措置を講ずることにより、飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、もつて国民の健康の保護を図ることを目的とした法律。
食品照射ショクヒンショウシャ食品照射(しょくひんしょうしゃ、food irradiation)とは、食品にX線、ガンマ線や電子線などの放射線を照射することによって貯蔵期間の延長と殺菌・殺虫などを行う技術のことである。加熱や薬剤による処理よりも食品に対するダメージが少ないことから近年注目されている。FAO、IAEA、WHOの食品照射合同専門委員会では、1980年に10キログレイ以下の食品照射の安全宣言を行っており、世界各国の様々な分野で利用されつつある技術だが、日本では唯一、ジャガイモの発芽を阻止する目的でしか利用を認めていない。
食品添加物ショクヒンテンカブツ=(food additives)食品製造の際に添加する物質のこと。主な用途としては食品の製造や加工のために必要な製造用剤、食品の風味や外観・色合いを良くするための甘味料・着色料・香料、食品の保存性を良くする保存料・酸化防止剤、 食品の栄養成分を強化する栄養強化剤などがある。
また、法律上、化学合成によるものとそうでないものに分類される。
しらこ蛋白シラコタンパク(=プロタミン)“。鮭、にしん、鱒などの精巣(しらこ)から取れる物質で、しらこ中の核酸と塩基性たんぱく質を酸で分解した後、中和して得られる添加物です。保存料として、特にでんぷん系の食品や水産練り製品、肉加工品、調味料などに使用されています。
試料原液シリョウゲンエキ食品検査では、固体食品であればそれを一定量の水で希釈攪拌した乳剤。液体食品であれば、その液自体を試料原液と呼びます。この原液を直接検査したり、さらに薄めて検査に供します。
白カビシロカビ食品表面などに生育したときに、白っぽいコロニーを形成する真菌類の呼び名。Debarymyces、Pichia、Kloeckera、Candidaなどが白カビと呼ばれる。
真核生物シンカクセイブツ動物、植物、菌類、原生生物など、身体を構成する細胞の中に細胞核と呼ばれる構造を有する生物のことである。真核生物以外の生物(細菌など)は原核生物と呼ばれる。
真菌シンキン(=菌類)。一般にキノコ・カビ・酵母と呼ばれる生物が含まれる。外部の有機物を利用する従属栄養生物であり、分解酵素を分泌して細胞外で養分を消化し、細胞表面から摂取する。
真空包装シンクウホウソウ一般に好気性細菌やカビは酸素がないと増殖できない。これらの微生物制御に役立つのが真空包装。商業的に用いられるのは完全な真空ではなく、包装容器中での真空度は通常5~10Torrである。
水道法スイドウホウ第7章と附則からなる上水道管理のための法律。水道法で定められる上水道の規格は、食品製造の「飲用適の水」に合致する。
水分活性スイブンカッセイ水分活性(すいぶんかっせい)とは食品中の自由水の割合を表す数値で食品の保存性の指標とされる。純水の水分活性は 1.000aw であり、0.000 – 1.000aw の範囲で表される。
スクリーニングスクリーニングスクリーニングとは、様々な状況や条件の中から自分で定めた必要なものを選出すること。もともとは生物学用語に属しており、土壌の中から微生物をピックアップする場合に使われている用語です。
ススカビススカビアルテルナリア。分生子を形成するカビ、いわゆる不完全菌のひとつである。多細胞の分生子を作る。ススカビ病などとはあまり関係がない。
スタータースターター発酵の開始のために加える微生物を多量に含んだもの。
ステリライズステリライズ滅菌、殺菌、消毒のこと。
ストマッカーストマッカーストマック(胃袋)の蠕動運動に、袋の周囲からの圧力で食品すりつぶす機械。主に微生物検査で用いられ、マスティケーターとも呼ばれる。
スパイラルプレーティング法スパイラルプレーティングホウ平板に手作業で試料液を塗りつける従来法ではなく、機械により平板寒天培地に試料液を培地の中心から外側に濃度勾配をつけながら、らせん状に塗抹を行う検査方法。大量の検体を短時間で処理できるメリットがある。
スパテラスパテラ薬さじ、スプーン。
静菌セイキン微生物が食品中で増殖できない条件下に食品を保持したり、増殖できないように食品を加工することによって行われる。微生物が増殖できない条件下で食品を保持する技術としては、冷蔵、冷凍などの低温保持やガス置換などの脱酸素処理がある。一方、古くから食品を保存するための人間の知恵として世界各地に静菌技術を利用した食品があり、濃縮、乾燥、糖蔵、塩蔵などがその例である。これらの技術により、水分活性の低下やpHの調節あるいは抗菌作用などが発揮され、有害微生物の増殖が抑制される。また、発酵食品では乳酸菌や納豆菌などの持つ抗菌活性により、有害微生物の増殖を抑制しながら独特の風味を持った食品を製造するという技術(バイオリザベーション)が活用されている。
生菌数セイキンスウ一般生菌数、細菌数ともいわれる。標準寒天培地に試料液を混釈し、35℃-48時間で目視で確認できるコロニーを全て数える検査方法。食品検査では、もっともポピュラーな検査項目で、その食品がどのような環境で扱われたかを知る汚染指標となる。
清浄度クラスセイジョウドクラスクリーンルームの清浄度をクラス分けしたもの。JIS(日本工業規格)1m3の空気中の微粒子数を10のべき乗数で表したべき指数で表す。
生食用冷凍鮮魚介類セイショクヨウレイトウセンギョカイルイ食品衛生法施行規則にある規格基準の定まった食品の分類のひとつ。刺身など生食で喫食可能な冷凍魚介類。
精製水セイセイスイ蒸留や濾過、イオン交換などの手法で精製された水。製造業者によって不純物濃度などに独自の基準が設けられている。日本薬局方によって不純物イオン濃度などが規定されているが、微生物数についての基準は無いため無菌とは限らない。
製造物責任法セイゾウブツセキニンホウ(=PL法)。製造物の欠陥により損害が生じた場合の製造業者等の損害賠償責任について定めた法規のこと。通常の損害賠償制度とは異なり、製造者の過失を要件とせず、製造物に欠陥があったことを要件とすることにより、損害賠償責任を追及しやすくした。
生物顕微鏡セイブツケンビキョウ主に生物学などで利用するもっとも基本的な光学顕微鏡。試料を均一な入射光で照らした時、試料の各部分において光の吸収率が異なる為に透過光の像にコントラストが付くことを利用する。吸収率の小さい試料ではコントラストが低く明瞭な像が得られない為、染色を施すなどの必要がある。
赤痢菌セキリキングラム陰性通性嫌気性桿菌の腸内細菌科の一属(赤痢菌属)に属する細菌のこと。ヒトとサルのみを自然宿主として、その腸内に感染する腸内細菌の一種である。ヒトには主に汚染された食物や水を介して経口的に感染し、赤痢(細菌性赤痢)の原因になる。
世代時間セダイジカン細菌の増殖速度のこと。分裂により一個の細菌が誕生して、さらにその細菌が分裂を開始するまでを1世代時間という。
接合菌類セツゴウキンルイ菌界の中の分類群で、接合胞子嚢を形成するのを特徴としており、ケカビとクモノスカビなどが含まれる。
接合胞子セツゴウホウシ接合菌類の有性生殖で形成される接合胞子のうの中で形成される胞子。
Z値ゼットチ加熱温度を高くすれば熱死滅時間(D値)は短くなり、温度が低くなれば長くなります。ここで、D値を1/10にする(加熱時間を1/10にする)ために高める温度は、細菌の種類でほぼ一定であることが分っており、この温度幅をZ値といいます。
先の例で、セレウス菌のZ値が10℃とすれば、1万パックを殺菌する際、110℃で加熱すれば54分×1/10=5.4分でよいことになります。
一般的な細菌のZ値は4~6℃、耐熱性の胞子で10℃程度とされています。ある菌種について、ある加熱温度のD値と、その菌のZ値が分っていれば、別の加熱温度での殺菌時間を計算により推定することができます。
セレウス菌セレウスキン(=Bacillus cereus)。Bacillus属に属するグラム陽性大桿菌で芽胞を有する通性嫌気性菌。土壌や汚水など自然界に多く存在し、加熱に強い芽胞を形成し食中毒の原因となるから、特に加熱済み食品で衛生上重要な管理菌種とされる。
洗浄センジョウ水や洗剤などを用いて対象物の汚れを取り除く行為。
選択培地センタクバイチ培地上で目的とする菌種以外が生育しないように、阻害剤(選択剤)を加えた培地。
総菌数ソウキンスウ食品中に含まれる生菌、死菌を含むすべての菌数を指す。顕微鏡で食品を直接観察して、数える。
増菌培地ゾウキンバイチ元々食品に存在する汚染菌量が少ないと考えられる、食中毒起因菌の検査では、検出するために菌量増加を目的として、おもに液体培地を用いて増菌培養を行う。そのための培地で、検査目的とする菌種によりその成分や、培養条件がことなる。
増殖曲線ゾウショクキョクセン主に細菌培養における増殖過程を表現するために、菌数の対数と培養時間の関係を表で示したもの。細菌の増殖曲線は誘導期、対数期、静止期、死滅期より構成される。
組織侵入性大腸菌ソシキシンニュウセイダイチョウキン(=腸管組織侵入性大腸菌(EIEC))。EIECは、重症な大腸炎を起こすことで知られる赤痢菌によく似た性質をもち、赤痢菌と同じように大腸の上皮細胞の中に侵入し、増殖しながら周囲の細胞にも広がり、大腸や直腸に潰瘍(かいよう)性の炎症を起こす。血清型ではO28ac、O112ac、O124などが含まれる。
疏水性格子膜メンブランフィルターソスイセイコウシマクメンブランフィルター通常のメンブランフィルターに、疎水性のパラフィンワックスを格子状に加工したもの。フィルター表面は1600個の格子に分けられており、この枠内のコロニーの発生から菌数測定が容易になる。
ソルビン酸ソルビンサン保存料として使用される不飽和脂肪酸。かび、酵母、好気性菌に対して静菌効果を持つが、抗菌力はpHにより大きく変化し酸性(pH小)側で強い。食品添加物として食品毎の使用量上限が定められている。
損傷菌ソンショウキン加熱や薬剤、冷凍、解凍などのショックで生理機能に何らかの異常をきたした菌。適当な環境では、徐々に回復し、遅れて通常の細菌と同様の挙動を示す。
用語読み解説
耐塩菌タイエンキン塩化ナトリウムを含む培地でよく増殖し、かつ、10%以上含む培地でも増殖可能である細菌の総称。黄色ブドウ球菌を含むStaphylococcus属なども該当し、食品衛生上問題となることがある。類義語=好塩菌
耐塩性酵母タイエンキンコウボ食塩濃度がおおむね13%以上でも生育可能な酵母。酸膜性の耐塩性酵母は塩蔵の野菜、魚貝類、肉類などの表面に増殖して品質劣化の原因となる。
耐産生有胞子細菌タイサンセイユウホウシサイキン酸性条件下で生育できる有胞子細菌。主にBacillus属の一部で、耐熱性の胞子(芽胞)を形成するので、加熱により風味の損なわれる野菜汁、果汁などで特に問題となる。
大腸菌ダイチョウキン(=Escherichia coli 略してE. coli)。グラム陰性の桿菌で通性嫌気性菌に属し、環境中に存在するバクテリアの主要な種の一つである。この菌は腸内細菌でもあり、温血動物(鳥類、哺乳類)の消化管内、特に大腸に生息する。本菌に汚染された食品は比較的近い時点で、糞便汚染を受けた可能性があるとして、汚染指標菌の検査項目に含まれる。
大腸菌群ダイチョウキングン(= coliform bacteria)。グラム陰性無芽胞性の短桿菌であり乳糖を分解して酸とガスを産生する好気性または通性嫌気性の細菌群。大腸菌に近い性状を示す細菌群として、検査が容易なことから、食品の糞便汚染の指標とされてきたが、細菌では土壌中にも広く分布する菌種が含まれていることが分かり、汚染指標菌としての検査の意義が薄くなってきている。
耐熱性有胞子細菌タイネツセイユウホウシサイキン(=耐熱性芽胞菌)。グラム陽性で耐熱性の芽胞を形成し、加熱調理後も食品中に生残する恐れのある細菌。食品衛生の分野で、主に問題になるのは、好気性のBacillus属と、嫌気性のClostridium属。それぞれに食中毒菌を含み、食品の腐敗菌としても問題がある。
多水分食品タスイブンショクヒン水産練り製品、食肉加工品、魚の半乾燥品などおおむね50%以上の水分を含み、少なくともAw0.87以上、多くはAw0.95以上の食品。
種麹タネコウジ味噌、醤油、清酒、焼酎、みりんなど醸造食品の製造に用いられる麹を製造する際に、麹菌を蒸米などに加えたもの。 通常米などを原料に麹菌を培養し、胞子を十分に着生させた後、乾燥させる。
WHOダブリューエイチオー(=世界保健機関)。スイスのジュネーブに本部を持つ、人間の健康を基本的人権の一つと捉え、その達成を目的として設立された国際連合の専門機関。
タマカビタマカビ子嚢菌門(類)でアカパンカビや冬虫夏草などを含む菌類。
炭そ菌タンソキン(=Bacillus anthracis)。炭疽症の原因になる細菌。病気の原因になることが証明された最初の細菌であり、また弱毒性の菌を用いる弱毒生菌ワクチンが初めて開発された、細菌学の歴史上で重要な位置付けにあたる細菌である。細菌兵器として利用されたことも有名。
炭素源タンソゲン培地基質中に含まれる微生物の栄養分となる主に糖質、炭水化物。
チオグリコレイト酸塩(TGC)培地チオグリコレイトサンエン(TGC)バイチ缶詰やレトルト食品の無菌試験に使用する液体培地。すべての菌が検出されるわけでないが、好気性や嫌気性などの清浄にかかわりなく検査が可能。
窒素源チッソゲン培地成分に含まれる微生物の栄養源となる、主にたんぱく質やアミノ酸などの窒素化合物を指す。
窒素充てん包装チッソジュウテンホウソウ食品の酸化を防ぐため、食品包装内の空気を窒素ガスで置換する保存方法。
チトクロームオキシダーゼ試験チオクロームオキシダーゼシケン細菌がチトクロームオキシターゼを産生しているか確認する試験。主に濾紙に試薬をしみこませたものが製品化されている。Vibrio、PseudomonasやAeromonasは陽性(紫色に呈色)、腸内細菌科やAcinetobacterは陰性(無変化)に反応する。
中温細菌チュウオンサイキン周辺環境が20~40℃でよく発育する細菌群。一般生菌や食中毒菌はほとんどが中温性菌である。
中間水分食品チュウカンスイブンショクヒン水分が20~40%、Aw0.60~0.85で、室温貯蔵可能な食品。フルーツケーキ、羊羹、干柿、サラミソーセージ、佃煮など。
中性洗剤チュウセイセンザイ塩基性を示す通常の石鹸に対して、水中で加水分解せずpHが6.0~8.0の中性を示す洗剤。普通は、合成洗剤をいう。
腸炎菌チョウエンキンサルモネラ・エンテリティディスの和名。食中毒を起こすサルモネラの中でも病原性が強く、近年では汚染された鶏卵およびその加工品による食中毒が増加している。
腸炎ビブリオチョウエンビシブリオ(=Vibrio parahaemolyticus)。ビブリオ属に属する好塩性のグラム陰性桿菌の一種。主に海水中に生息する細菌であり、本菌で汚染された魚介類を生食することで、ヒトに感染して腸炎ビブリオ食中毒を発症させる。
腸管出血性大腸菌チョウカンシュッケツセイダイチョウキン毒素を産生し、出血を伴う腸炎や溶血性尿毒症症候群(HUS)を起こす。代表的なものは「腸管出血性大腸菌O157」で、そのほかに「O26」や「O111」などが知られる。 腸管出血性大腸菌は、牛などの家畜や人の糞便中に時々見つかるが、家畜では症状を出さないことが多く、外から見ただけでは、菌を保有するかどうかの判別は困難。
腸球菌チョウキュウキン腸球菌(ちょうきゅうきん)とは、主にヒトを含む哺乳類の腸管内に存在する常在菌のうち、球菌の形態をとるものを指す。外界で増殖しにくく、人畜の糞尿で汚染されていない限り、環境中の水や土壌にはほとんど分布していない。
腸チフスチョウチフスサルモネラの一種であるチフス菌 (Salmonella enterica var enterica serovar Typhi) によって引き起こされる感染症の一種。感染源は汚染された飲み水や食物などであり、潜伏期間は7~14日間ほど。衛生環境の悪い地域や発展途上国で発生して流行を起こす伝染病で、世界各地で発生がみられる。
腸内細菌チョウナイサイキンヒトや動物の腸の内部に生息している細菌。ヒトの腸内には一人当たり100種類以上、100兆個以上の腸内細菌が生息しており、糞便のうち、約半分が腸内細菌またはその死骸であるとも言われている。宿主が摂取した栄養分の一部を利用して繁殖し、他の種類の腸内細菌との間で数のバランスを保ちながら、一種の生態系(腸内細菌叢、腸内常在微生物叢、腸内フローラ)を形成している。また、宿主との関係においても、分解者として共生関係にある細菌が多い。
直接顕鏡法チョクセツケンキョウホウ培養などの手順を用いず、検体を直接、拡大鏡や顕微鏡などで観察する方法。
チルドチルド食品を凍結寸前の温度まで冷却して保存すること。いわゆる冷蔵のことだが、厳密により低温域での保存をチルドと分けて呼ぶことがある。
通性嫌気性細菌ツウセイケンキセイサイキン酸素があってもなくても、生育する細菌。
D値ディーチ一般に微生物の熱死滅は対数的に起こります(薬剤や放射線などによる死滅も同様)。したがって、ある加熱温度で微生物数を1/10に減少させるために必要な時間をD値(単位は分)といいます。加熱温度を明確にするためにD121、D100と表すこともあります。最近の成書では、熱死滅データとしてD値を示すことも多くなっています。
加熱殺菌の条件等を検討する場合、このD値を用いたほうが分りやすくなります。例えば、サルモネラ菌(Salmonella Typhimurium)の62.8℃におけるD値が0.11(分)とすると、105個の菌を1個にするためには、この加熱温度で菌数を1/10に減少させるサイクルを5回繰り返せばよいことがわかります(1/10×1/10×1/10×1/10×1/10=1/100,000)。すなわち、0.11分を5回繰り返すので、必要な加熱時間は0.11×5=0.55(分)ということになります。なお、「D値を5回繰り返す」ことを「5D」と表します。
殺菌条件としては、一般的な殺菌については「5D」、ボツリヌス菌など耐熱性で危険な菌種では「12D」とされていますが、実際には次のように考えます。
セレウス菌の胞子103個に汚染されている米飯パックを100℃で加熱殺菌するとして、この胞子に対するD100値が6分とします。この1パックを殺菌して残存胞子を10-2個(1/100の確率で胞子が生き残る:菌数を1/100,000に減少させる)とするには、D100×5=30分の時間が必要となります。
さらに、1万パック製造するとすれば、殺菌すべき胞子の数としては103×10,000=107となりますので、加熱時間は9D=54分となります。
なお、このような考え方からわかるように、原料の汚染状況(殺菌前の菌数)が殺菌後の残存菌数に大きな影響を及ぼしますので、殺菌前の衛生管理が重要になります。
低栄養細菌テイエイヨウサイキン(=貧栄養細菌、従属栄養細菌)。水中など栄養素が非常に少ない状態に適応した細菌。栄養豊富な環境では、生育できない。
低温カビテイオンカビPenicilliumやMucorをはじめいくつかの属が低温(性)カビと呼ばれる。最低生育温度が0℃~-10℃付近まで達するものも存在する。低温カビはペクチン分解酵素を有し、冷蔵青果物を軟化・腐敗させ、また、脂肪分解力が強いものも多く、冷蔵食肉や乳製品の油脂の変敗の原因となる。
低温酵母テイオンコウボCandida、Cryptococcusをはじめ、いくつかの属が低温酵母と呼ばれる。低温流通の野菜、果実、果汁、乳製品、肉類、魚介類に生育して着色、風味劣化、皮膜・ネト形成などの変敗の原因となる。
低温細菌テイオンサイキン発育至適温度に関係なく5~7℃で7~10日以内に寒天培地に肉眼的に識別できるコロニーを形成する細菌のこと。自然界に広く分布し、10~30℃でよく発育する。脂肪分解能やタンパク質分解能を持ち、食品の腐敗に関係する細菌も多い。代表的なものにPseudomonas属があり、脂肪分解酵素、蛋白分解酵素の産生量が低温下で増加するため、乳製品の腐敗原因となりやすい。特に20℃以下に発育至適温度を持つものは好冷菌と呼ばれ、酵素は低温・耐熱性・特異性で高い触媒作用を持っている。
低温殺菌テイオンサッキン100℃未満(普通60~65℃)の状態を保ち食品を殺菌すること。考案者の名をとり、パスツーリゼーション(pasteurization)とも呼ばれる。高温にするとタンパク質の変性、風味の低下などの問題が生ずる、牛乳、肉類、酒類、果汁といった食品で用いられることが多い。
適正製造基準テキセイセイゾウキジュン(=GMP、Good Manufacturing Practice)。HACCP の前段階である前提条件プログラム (PRPもしくはPP) の中心となる基準であるが、同義ではない。医薬品や食品を衛生的に製造するための基本的な取り決め。
デソキシコレート培地デソキシコレートバイチ大腸菌群の定量試験に用いられる寒天培地。選択剤としてデスオキシコール酸ナトリウムが含まれており、名前の由来となっている。通常、食品検体の乳剤をシャーレ内で本培地と混釈し、さらに重層して大腸菌群コロニーを推定する。国内の大腸菌群定量検査は本培地を用いることが多いが、国際的には、より選択性の低いVRB培地が利用されており、検査結果の違いが輸出入業務の障害となることもある。
デソキシコレート培地デソキシコレートバイチ大腸菌群の定量試験に用いられる寒天培地。選択剤としてデスオキシコール酸ナトリウムが含まれており、名前の由来となっている。通常、食品検体の乳剤をシャーレ内で本培地と混釈し、さらに重層して大腸菌群コロニーを推定する。国内の大腸菌群定量検査は本培地を用いることが多いが、国際的には、より選択性の低いVRB培地が利用されており、検査結果の違いが輸出入業務の障害となることもある。
デリューションデリューション希釈液。微生物の検査では試料を段階希釈して寒天培地に塗抹または混釈する平板希釈法などが良く行われるが、その際の希釈に利用する溶媒を希釈液(デリューション)と呼称する。弊社ではデリューションとしてバターフィールドリン酸緩衝液など主成分とし、必要な分量滅菌して、容器詰めした商品を取り扱っている。
電子顕微鏡デンシケンビキョウ通常の光学顕微鏡では、観察したい対象に光をあてて拡大するのに対し、光の代わりに電子線をあてて拡大する顕微鏡のこと。走査型電子顕微鏡と透過型電子顕微鏡がある
電子線滅菌デンシセンメッキンガンマ線滅菌などと同じ、放射線滅菌法のひとつ。発熱や残留毒性等の無く、しかもガンマ線に比べ短時間に処理でき、大量の製品を低コストで滅菌できる。また、照射後の商品は無菌試験などによる確認の必要がなく、照射後すぐに出荷できる。
凍結前加熱食品トウケツマエカネツショクヒン加熱後摂取冷凍食品の一種で、凍結をする前にあらかじめ加熱をして一次殺菌してから冷凍している食品のこと。ハンバーグや餃子、フライものなどで使われる。
凍結前未加熱食品トウケツマエミカネツショクヒン加熱後摂取冷凍食品の一種で、調理後、凍結の直前には加熱しない冷凍食品のこと。えびフライなどのフライ類、コロッケなどの食品で多用される。
同定キットドウテイキット試薬などを利用し生物個体の分類群を調べる簡易器具。微生物試験では、一般の培地などで純粋培養を行ったコロニーを用い、同定のための複数の試験を同時に行えるようなものが、市販されている。
同定検査ドウテイケンサ生物個体が既存のどの分類群に当たるかを判断するための検査。食中毒菌の特定も同定検査の一種である。
毒素型食中毒ドクソガタショクチュウドク食品中で細菌が増殖し、その時産出して蓄積された毒素を接取することで発症する食中毒症。毒素型食中毒起因菌として有名なものは、黄色ブドウ球菌・セレウス菌およびボツリヌス菌が挙げられる。
毒素原性大腸菌ドクソゲンセイダイチョウキン(=ETEC、enterotoxigenic E. coli)。病原大腸菌の一種でこの菌が産生するエンテロトキシンにより、コレラのような激しい水様性の下痢を起こす。このエンテロトキシンには60℃、30分の加熱で活性を失う易熱性毒素(LT)と、100℃、15分の加熱にも耐える耐熱性毒素(ST)の2種類がある。ETECに分類される血清型にはO6、O25、O148、O169などがある。
特定酵素基質培地法トクテイコウソキシツバイチホウ細菌が生育する際に産生する、独自の酵素と培地成分の反応により培地自体を発色させ細菌の有無を判定する方法。従来の培養法に代わる新しい方法として主に食品製造現場などでのスクリーニングテストに用いられることが多い。
独立栄養細菌ドクリツエイヨウサイキン無機化合物(二酸化炭素、重炭酸塩など)だけを炭素源とし、光をエネルギー源として生育する細菌。食物連鎖では生産者にあたる。
土壌菌ドジョウキン主に土壌中に生息する細菌の総称。有機物及び無機物をエネルギー源として棲息し、生育するのに有機物を必要とするものを有機栄養細菌、無機物だけで生育し有機物を必要としないものを無機栄養細菌と呼ぶ。 多くの細菌は主に有機栄養細菌に属し、アンモニアを亜硝酸に変える作用をする亜硝酸菌、亜硝酸を硝酸に変える硝酸菌、硫黄の循環に関する硫黄細菌、鉄を酸化する鉄酸化菌などは無機栄養細菌に属す。
トリメチルアミントリメチルアミン有機化合物の一種で、示性式 N(CH3)3、分子式 C3H9N と表される3級アミン。水に非常に溶けやすい性質をもち、低濃度では魚臭、高濃度ではアンモニア状の臭気を有し、悪臭防止法の規制対象となっている。鮮魚の腐敗臭には、アンモニアと並んでトリメチルアミンの寄与が大きい。魚体中に含まれるトリメチルアミンオキシドが還元酵素によりトリメチルアミンに変性するからである。トリメチルアミンの臭気が魚臭さの主な原因になっており、その強度がしばしば鮮度の指標とされる。
用語読み解説
ナグビブリオナグビブリオ都市近辺の河川や沿岸部の海水に生息するコレラ菌の仲間。 下水などの汚染がひどい場所では、数か月から1年以上にわたって生息し続ける。 また、コレラ菌のいるところには必ずナグビブリオも存在し、最近では、輸入された魚介類からの感染も増えている。
納豆菌ナットウキン枯草菌の一種。稲の藁に多く生息。芽胞は熱に強く、かつての納豆の製造において、稲わらを熱湯消毒し、雑菌を死滅させてから大豆を包み、生残した納豆菌の発酵作用で納豆を作った。細菌では前もって増菌した菌液を、煮豆に噴霧し、発酵させることで納豆を製造することが多い。
軟化ナンカ組織が柔らかくなること。特に果実などで、微生物作用により発生することが多い。
二次汚染ニジオセン二次汚染とは微生物が製造環境やヒト(従業員)の手指などを介して間接的に食品を汚染することを指す。
ニトロソアミンニトロソアミン亜硝酸とアミン類が化学反応して生成する発がん物質。亜硝酸は、ハムやソーセージに発色剤として使用される亜硝酸塩のほか、野菜に存在している硝酸塩が唾液によって還元されても亜硝酸塩を生じる。アミン類は肉や魚、魚卵に多く含まれる。これらが酸性である胃の中で反応してニトロソアミンが発生すると考えられている。最強の発癌物質ともいわれるため、食品添加物としての亜硝酸塩には、厳しい使用基準が定められている。
日本農林規格(JAS)ニホンノウギョウキカク(JAS)農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法、1950年公布)に基づく、農・林・水・畜産物およびその加工品の品質保証の規格で、一般JAS、有機JAS、特定JAS、生産情報公表JAS、流通JASの制度がある。
乳酸ニュウサン乳酸菌の作用により糖類が分解され(乳酸発酵)生成される有機酸の1種。乳製品や漬物などの発酵食品ではその風味が珍重される半面、一般食品で乳酸が増加すると腐敗とみなされる。
乳酸菌ニュウサンキン糖類を醗酵し、乳酸を産生する細菌の総称。乳酸球菌属、ペディオコッカス属、ロイコノストック属、乳酸桿菌、ビフィズス菌属がある。発酵乳製品や漬物の製造では乳酸菌を優位に繁殖させることで、他の菌の発育を抑え、保存性を増す働きがある。
乳等省令ニュウトウショウレイ牛乳やその他の乳、乳製品などについての成分規格や製造基準、容器包装の規格、表示方法などが定めた省令の略。
乳糖ブイヨン培地ニュウトウブイヨンバイチ食品、水中の大腸菌群の検索に使用し、細菌の乳糖分解能が確認できる。大腸菌群の発育により培地色が黄変し、発酵管またはダーラム管内にガス産生が確認できたものを陽性とする。培養は、35±1℃で48±3 時間。
ネズミチフス菌ネズミチフスキンサルモネラの一種で人獣共通の病原菌である。本来はネズミ等のげっ歯類の腸管内に生息していると考えられるが、家畜を含めた様々な動物の腸管内にも存在する。感染源はそういった動物の排泄物であり、経口感染する。
ネトネト保存中に食品表面に特定の微生物が増えることによって生じる粘り気のある物質。主にシュードモナス属細菌が原因となり、通常、ネトは初期には細い糸引きから始まり、完全に腐敗したときには太い糸引き状態になる。
粘菌ネンキン変形菌とも呼ばれ、変形体と呼ばれる栄養体が移動しつつ微生物などを摂食する“動物的”性質を持ちながら、小型の子実体を形成し、胞子により繁殖するといった植物的(あるいは菌類的)性質を併せ持つ微生物。
用語読み解説
パーシャルフリージングバーチャルフリージングマイナス3℃付近の温度を保持し、氷結点をわずかに超える半凍結、あるいは微凍結状態での食品貯蔵法のこと。主に鮮魚貝類に利用され、冷凍よりも食品の損傷が少なく,冷蔵よりも長期の保存が可能という特徴を持つ。
灰色カビ病ハイイロカビビョウ灰色かび病は寄生範囲が広く、ほとんどすべての植物で発生する。Botrytis cinereaという糸状菌が原因で、実害としては果実に多く見られる植物病害。Botrytis cinereaは生育温度が-1~35℃と低温でも生育する特性をもつ。
バイオロジカルクリーンルーム(BCR)バイオロジカルクリーンルーム(BCR)製薬工場をはじめ、病院、各種研究室などでの細菌による汚染防止や食品工業の腐敗菌防止、植物培養室細菌の影響を受けない清浄動物の飼育など、粉塵だけでなく微生物や細菌も除去した環境のクリーンルーム。
バクテリオファージバクテリオファージ細菌に感染するウイルスの総称。正式にはバクテリオファージと呼ばれるが、略称にあたるファージが定着しており一般にはこちらが用いられる。ファージは、遺伝子数が他の生物に比べて少なく、また増殖させて増やすことが簡単なことから、初期の分子生物学で研究されゲノムが解読され、モデル生物の一つとして用いられている。ファージの中には抗生物質への耐性遺伝子や毒素の遺伝子を持っているものがあり、ファージが感染することによってその遺伝形質を細菌が獲得することがある。実例としてO157のベロ毒素が挙げられる。ベロ毒素は一部の赤痢菌が産生するシガトキシンと同じものであり、それらの赤痢菌に感染していた毒素遺伝子を含むファージが大腸菌に感染してベロ毒素産生大腸菌が出現したと考えられている。
HACCPハサップ(=Hazard Analysis and Critical Control Point)。日本度読みは統一されておらず、ハサップ、もしくはハセップと呼び表すことが多い。食品を製造する際に工程上の危害を起こす要因(ハザード;Hazard)を分析しそれを最も効率よく管理できる部分(CCP;必須管理点)を連続的に管理して安全を確保する管理手法のこと。HACCPの考え方は広く食品業界に広まっており、厚生労働省の認証制度である「総合衛生管理製造過程」はHACCPの考え方を取り入れた制度である。
パスツリゼーションパスツリゼーション食品の殺菌法として行われる68℃、約30分間の液状低温殺菌法。
白金耳ハッキンジ微生物の培地間の移植に用いる、白金ないしは、それに準ずる反応性の少ない材質(ニクロムなど)でできた針金に、持ち易い柄を付けたもので先端の形状は直径3㎜ほどのループ状になっている。
白金線ハッキンセン微生物の培地間の移植に用いる、白金ないしは、それに準ずる反応性の少ない材質(ニクロムなど)でできた針金に持ち易い柄を付けたもので先端は曲がらず直線的。
発酵ハッコウ狭義には、酵母などの微生物が嫌気条件下でエネルギーを得るために有機化合物を酸化して、アルコール、有機酸、二酸化炭素などを生成する過程のことである。広義には、微生物を利用して、食品を製造すること、有機化合物を工業的に製造することをいう。
パラチフスパラチフスサルモネラ・パラチフス菌Aによってひき起こされる旧法定伝染病(現二類感染症)で,腸チフスとあわせて腸熱と呼ばれる。
pHピーエイチ水素イオン指数(濃度)。物質の酸性、アルカリ性の度合いを示す数値のこと。1~14までの数値で表され、一般的にpH6.0~8.0が中性、それ以下を酸性、それ以上をアルカリ性とする。
BL寒天培地ビーエルカンテンバイチ嫌気性菌とくに乳酸菌の分離、鑑別用培地。
PCR法ピーシーアールホウ(=Polymerase chain reaction method)。極少量のDNAもしくはRNAを、酵素反応と加熱、冷却などの物理的方法を利用して大量に増幅(増加)させる方法。
BGLB培地ビージーエルビーバイチ食品や水中の大腸菌群の推定試験に使用される液体培地。試験管中に培地を注入し、ダーラム管を入れ、封をしてオートクレーブ滅菌により、調製する。 大腸菌群陽性の場合は、ダーラム管内にガスの発生が確認される。通常は、最確数法として、希釈一段階ごとに3ないし5本の試験管を用い、EMB培地と組み合わせて統計学的に大腸菌群の定量を行う。
BCP加プレートカウント寒天培地ビーシーピープレートカウントカンテンバイチ発酵乳、乳酸菌飲料、乳酸菌入アイスクリーム中の乳酸菌生菌数の測定に用いられる培地。 乳酸菌は、培地の深部および表面に黄変した集落を形成される。
ビール酵母ビールコウボビールを作る際に加える酵母。この菌が麦芽(麦汁)アルコール醗酵(糖を分解してアルコールと二酸化炭素を作ること)をさせてビールが製造される。近年、その栄養素の多さから健康食品としても注目されている。
火落ち菌ヒオチキンコウジカビが生成するメバロン酸(「火落ち酸」)を主食とする乳酸菌の一種で、日本酒に入り込むと濁りを生じ、酸化させ、また臭みを帯びさせ、商品価値を失わせる。日本酒製造の現場では、衛生管理のため火落ち菌の検査などが行われる。
微好気性細菌ビコウキセイサイキン低酸素条件下(5%程度)で発育する細菌。
ヒスタミンヒスタミン活性アミンの一種で、血圧降下、血管透過性亢進、平滑筋収縮、血管拡張、腺分泌促進などの薬理作用があり、アレルギー反応や炎症の発現に介在物質として働くことが知られている。ヒスタミンは食物から直接体内に取り込まれるほか、生体内で合成され、アレルギー反応の介在物質としてだけではなく、直接アレルゲンとしても活動する。
ヒスタミン生成菌ヒスタミンセイセイキン主に赤身魚に多く含まれるヒスチジンをヒスタミンに変える(脱炭酸作用)菌のこと。代表種はモルガン菌。
ヒスチジンヒスチジン塩基性アミノ酸の一種の必須アミノ酸。ヒスタミンの前駆物質ともなる。
ヒノキチオールヒノキチオールヒノキやヒバに含まれる不飽和七員環化合物で、芳香族化合物の一つで、低毒性で広い抗菌スペクトルを有し、抗菌剤としても有効。また、化粧品などにも広く利用されている。
ビブリオ属菌ビブリオゾクキン淡水や海水に常在する水性細菌の一種で、腸炎ビブリオやその類縁菌をいう。
氷温ヒョウオン0℃から氷結点までの未凍結温度帯のこと。
病原血清型大腸菌ビョウゲンケッセイガタダイチョウキン(=EPEC, enteropathogenic E. coli)。下痢を起こす大腸菌の中で最も早く見いだされ、毒素も産生せず組織侵入性も示さない、O55、O111、O128など特定の血清型の大腸菌。サルモネラ症に似た胃腸炎を起こし、乳児では一般的に激しい症状を呈する。
病原大腸菌ビョウゲンダイチョウキン下痢原生大腸菌のこと。下痢の原因となる大腸菌の総称。病原を示すメカニズムの違いから腸管出血性大腸菌(EHEC:Enterohemorrhagic E.coli )、毒素原性大腸菌(ETEC:Enterotoxigenic E.coli )、組織侵入性大腸菌(EIEC:Enteroinvasive E.coli )、病原血清型大腸菌(EPEC:Enteropathogenic E.coli )、腸管付着性大腸菌(EAEC:Enteroadherent E.coli )の5タイプに分けられる。
標準寒天培地ヒョウジュンカンテンバイチ一般生菌の検査で使用される培地。
表皮ブドウ球菌ヒョウヒブドウキュウキン主として鼻腔や表皮に常在する。通常は非病原性で他の病原菌から表皮を守るバリアーや、表皮を健康に保つ役目を果たしているが、手術の際などに体内に侵入すると病原性を発する。
表面塗抹平板法ヒョウメントマツヘイバンホウ寒天培地を作成しておき、表面を無菌的に乾燥させたうえで、試料液0.1ml滴下し、コンラッジ棒で培地全体に塗沫して培養する方法。混釈培養とくらべて温度感受性の低温細菌や水系由来の細菌の検査に適している。
ファージファージ(=バクテリオファージ)細菌に感染するウイルスの総称。
不完全菌類フカンゼンキンルイ無性生殖だけで繁殖しているように見える子嚢菌(しのうきん)または担子菌(たんしきん)。体細胞分裂によって形成される分生子(ぶんせいし)と呼ばれる胞子により、あるいは胞子を作らずに菌糸の栄養成長のみによって、または酵母として増殖する菌類。
ふき取り法フキトリホウ滅菌した綿棒や綿布片(タンポン)を滅菌水で湿らせ、測定箇所の表面を拭取り、一定量の滅菌水に入れ、この液を試料液として付着微生物を測定する方法。
豚コレラ菌ブタコレラキン1885年にドイツの学者サルモンによって発見されたサルモネラ属の一種。名前の通り豚やイノシシに対して宿主適合性をもつ。
普通寒天培地フツウカンテンバイチ一般的に細菌検査に使用される寒天培地で組成は、肉エキス、ペプトン、寒天。
ブドウ球菌ブドウキュウキンブドウ球菌属(Staphylococcus属)に属するグラム陽性球菌である真正細菌の総称。表皮ブドウ球菌や食中毒の原因菌である黄色ブドウ球菌などが知られている。一つ一つの球菌が不規則に配列した集合体(クラスター)を作りながら増殖し、光学顕微鏡下で観察すると「ブドウの房」のように見えることから命名された。
腐敗フハイ一般的に食品が保存中に時間の経過と共に微生物の増殖や代謝生成物の作用によって本来の特性を失い、官能的に食べることができなくなること。 狭義的には、タンパク質や窒素を含んだ食品成分が微生物の作用により分解され悪臭や有害物質を産生すること。
腐敗細菌フハイサイキン腐敗の原因となる微生物を腐敗微生物と呼び、その中でも細菌の場合を腐敗細菌と呼ぶ。腐敗細菌(Food spoilage bacteria)はあらゆるところに棲息している。
フラットサワーフラットサワー缶詰などレトルト殺菌食品で殺菌不良などが原因で、Bacillus stearothernophilusが増殖し、おこる酸味・酸臭のこと。
ブランチングブランチング湯通し。食品(野菜や果物)の加工工程中にビタミンC等の損失を抑制したり、酵素を不活性化させたりする加熱操作のこと。料理の世界では調理前の「前処理」を示す場合もある。
ブリックスブリックス溶液100g中に含まれるショ糖(砂糖)のグラム量(ショ糖濃度)を計測する屈折計の単位。
フローサイコメトリー法フローサイコメトリーホウ披検試料を一定速度に流れる層流に乗せると1細胞ずつが縦列状態に流れる。それにレーザーを照射し、散乱光を電管で検知し信号を分析し微生物の有無を識別する方法。
分生子ブンセイシ子嚢菌及び担子菌門が形成する無性胞子のこと。ある程度はっきりした柄の上に、外生的に作られ、分生子のみで繁殖する菌類のことを不完全菌という。主として子のう菌および担子菌が、無性生殖の方法としてつくる胞子のこと
分注ブンチュウ化学や生物学の分野において、溶液を一定量の少量ずつに分けること。
糞便系大腸菌群フンベンケイダイチョウキングン大腸菌群の中でも人や温血動物の腸管に由来し、44.5℃で乳糖を分解し酸とガスを発生する通性嫌気性の菌群。糞便由来の菌株が多く、耐熱性が低いため、これらが検出された食品は不潔な取扱いを受けたか、加熱不足が推定される。
平板混和(混釈)法ヘイバンコンワ(コンシャク)ホウ;適宜に混釈された試料液1mlをペトリ皿に入れた後、滅菌加温した培地を流し込み培地と試料液を混ぜ合わせて、冷却して固め培養する方法。
平板塗抹法ヘイバントマツホウ(=表面塗抹平板法)。
平板培養法ヘイバンバイヨウホウペトリ皿(シャーレ)に平板塗沫および混釈により固められた培地を培養する検査方法。
ヘテロ発酵ヘテロハッコウ乳酸発酵の一種で乳酸の他、アルコール、炭酸ガスを作る。
ペトリ皿ペトリザラシャーレ。微生物を培養するガラスおよびプラスチック製の容器。サイズは深さ1-2㎝、直径は約10㎝。
ペニシリウムペニシリウム(=アオカビ)。もっとも普遍的に見られる不完全菌の一つである。胞子の色が肉眼で青みを帯びた水色であることからその名があるが、白や緑がかった色のものも見られ、必ずしもすべてのペニシリウム属のカビが青いわけではない。また、世界で初めての抗生物質であるペニシリンが、この種のカビから発見されたことは有名。
べロ毒素ベロドクソO157などの腸管出血性大腸菌群が産生する毒素。赤痢菌が産生する毒素、シガトキシンと同じ物質である。
変性アルコールヘンセイアルコール糖類の醗酵又は合成によって作られるエタノールに、アセトンやメタノールを加えて、飲用不可にした消毒用・工業用のアルコールのこと。通常の消毒用エタノールとほぼ同量のエタノールを含有するが、価格は消毒用エタノールの約半分と安価であり、これは酒税法で飲用不可のグレードであるため、税金が安いからである。
偏性嫌気性菌ヘンセイケンキセイキン酸素存在下では生育できない菌の総称。クロストリディウム属などが食品衛生上、重要な種となる。
偏性好気性菌ヘンセイコウキセイキン生育の絶対条件に酸素が必要である菌の総称。 Nocardia(ノカルディア属、グラム陽性菌)、Pseudomonas aeruginosa(緑膿菌、グラム陰性菌)、Mycobacterium tuberculosis(結核菌、抗酸菌)、Bacillus subtilis(枯草菌、グラム陽性菌)などがあげられる。
変敗ヘンパイ食品が本来の性質を失って、風味や味覚が食用に耐えない状態になること。
偏利共生ヘンリキョウセイ共生をしている一方は、利益を受けているが、もう一方は利益を受けていない状態。
防かび剤ボウカビザイ果物などの食品にカビが生育しないように塗布する製剤。
胞子形成亜硫酸還元嫌気性菌ホウシケイセイアリュウサンカンゲンケンキセイキン代表菌種として、クロストリジアが上げられる。胞子を形成し亜硫酸を還元して硫化水素を生成する嫌気性細菌。
胞子嚢ホウシノウカビなどの真菌類が胞子を蓄えている嚢(ふくろ)。
放射線殺菌ホウシャセンサッキン(=食品照射)。海外では香辛料や乾燥野菜の殺菌、国内では、じゃがいもの発芽抑制などに5~10Kgyの放射線の照射が行われている。10Kgyの照射で細菌数が108⇒102に減少したデータがみられる。
放線菌ホウセンキンカビと細菌との中間微生物。放線菌の定義は16S rRNA遺伝子の塩基配列による分子系統学に基づいており、桿菌や球菌も放線菌に含められるようになった。 典型的なものでは空気中に気菌糸を伸ばし胞子を形成するので、肉眼的には糸状菌のように見える。大部分は絶対好気性で、土壌中に生育するものが多い。 また、抗生物質生産菌の大部分が放線菌に属し、特にストレプトマイセス属(Streptomyces、ストレプトマイシンの名の由来)に多い。
膨張ボウチョウここでいう「膨張」とは、食品包装が微生物の増殖により産生されたガスで膨らみ場合により破裂すること。
圃場カビホジョウカビ好湿性のカビで、主に穀類や、アルミサッシの戸内外に温暖になると繁殖しやすく、気管支喘息やアレルギー皮膚炎を引き起こしやすくなるといわれる。
保存試験ホゾンシケン試料を一定期間同一条件下で保管し、時系列的にその変化をみること。食品における保存試験は、微生物検査、理化学検査、官能検査により、可食限界条件を知るために行われる。
保存料ホゾンリョウ食品中にいる細菌および真菌などの増殖を抑制し、変質、腐敗を防ぐ食品添加物。化学的合成品(ソルビン酸塩類や安息香酸など)とそれ以外のもの(ポリリジンやプロタミンなど)が指定されている。
ボツリヌス菌ボツリヌスキンクロストリジウム属の細菌で、グラム陽性の大桿菌および偏性嫌気性菌。土の中に芽胞の形で広く存在する。この菌が作り出すボツリヌス毒素(ボツリヌストキシン)は毒性が非常に強く、地上最強の毒素といわれている。
ホモジナイズホモジナイズホモジナイズとは、機械的あるいは手作業により、食品など、砕いたり、すり潰したり、細分化して、均一な検査試料を調製すること。
ホモジバッグホモジバッグ食品検体を破砕するため利用するサンプル袋。日本細菌検査が特許および商標を所有している。厚手のPE袋の内部に2重のメッシュ(網)が挟み込まれた構造を持ち、ホモジマッシャーとの組み合わせにより、手動で食品検体をすり潰すことができる。また、検体液をスポイトで吸い取るとき、メッシュの外側からおこなうことで、検体残渣の侵入をある程度防ぐ効果もある。
ポリリジンポリリジン微生物による発酵生産物。厚生労働省告示の既存添加物に記載されている保存料の一種で、グラム陽性菌(セレウス菌等)、グラム陰性菌(大腸菌等)、酵母など広範囲の微生物、特に食中毒原因菌に対しても、増殖抑制効果を発揮する。
用語読み解説
マイクロ波殺菌マイクロハサッキンマイクロ波と呼ばれるある周波数帯の電波で、食品を加熱殺菌する技術。特に殺菌が難しい、乾熱状態での殺菌(粉末など)に利用される。最近では水蒸気と組み合わせたりした、より効果の高いものも販売されているが、導入コストとランニングコストが高いことから、一部の食品への利用に限定されている。
マイコトキシンマイコトキシンカビ毒。カビが生育の過程で産生する有毒代謝物の総称。代表的なものには、アフラトキシン、オクラトキシン、バツリンなどがあり、それぞれ違うカビが産生する毒素である。
麻痺性貝毒マヒセイカイドク毒成分はサキシトキシン、テトロドトキシンなどであり、貝が毒化するのは、毒成分を持つ渦鞭毛藻類の一種やビブリオ属の一種などを体内に取り込み、それが蓄積するからである。 原因となる貝は、ホタテガイ、アサリ、カキ、ムラサキイガイ、ヒラオウギ、ヒオウギガイ、キンシバイ などで、中毒症状として、フグ中毒に類似し、最悪の場合呼吸麻痺を起こして死に至る。
ミクロフローラミクロフローラ微生物の特定の場での種,その数など,分布の総体を指す用語。たとえば、動物の腸内には多種多様な菌がそれぞれ影響しあって存在し腸内フローラを形成している。
無加熱摂取冷凍食品ムカネツセッシュレイトウショクヒン喫食する際に加熱の必要性がない果実類、菓子類などの冷凍食品を指す。
無菌試験ムキンシケン缶詰食品やレトルト食品中に微生物が存在しないことを確認する試験方法で恒温試験(保存試験:35℃、14日間)と細菌試験の組み合わせで行われる。
無菌充填包装ムキンジュウテンホウソウ充填する食品を高温短時間殺菌後、過酸化水素水などで殺菌した包装容器の中に充填包装すること。この場合の無菌とは、食中毒菌や病原菌が存在せず常温流通下で腐敗や経済的損失をもたらす微生物が存在しないことをいう。
むれ臭ムレシュウ感覚的で定義は難しいが、蒸れたような臭気。食品の腐敗や変敗時に発生することがある。
滅菌メッキン増殖性を持つあらゆる微生物(主に細菌類)を完全に殺滅又は除去した状態を、実現するための加熱や薬剤処理などの手段。
免疫蛍光抗体法メンエキケイコウコウタイホウ細胞内の特定のタンパク質を抗体によって蛍光標識し、その試料に励起光を当て、標識分子が発する蛍光による像を顕微鏡観察することで、対象タンパク質の細胞内での局在・移動を調べる方法。
メンブランフィルター法メンブランフィルターホウ孔径0.2~0.8μm、直径47㎜のメンブランフィルターをホルダーにセットし滅菌。これをポンプで吸引し、フィルター表面に付着した微生物を寒天培地上に無菌的に貼り付けて培養する方法。
モルガン菌モルガンキンヒスタミンを産生する菌でヒスチジン脱炭酸酵素を有する代表的な細菌。魚介類(青魚)などのヒスタミン食中毒の原因となることがある。
用語読み解説
薬剤耐性菌ヤクザイタイセイキン微生物が、自分に対して何らかの作用を持った薬剤に対して抵抗性を持ち、これらの薬剤が効かない、あるいは効きにくくなる現象のこと。薬剤抵抗性、薬物耐性とも呼ばれる。有名なところでは、院内感染で問題となったMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)で、抗生物質メチシリンに耐性を持った菌という名称であるが、実質的には他の抗生物質にも耐性を獲得した多剤耐性菌である
野生酵母ヤセイコウボもともと空気中、土壌、植物をはじめ自然界に存在しているすべての酵母を意味するが、日本酒の醸造過程においては目指す酒質を得るための酵母以外のすべての酵母を意味する。また、パンの製造において野生酵母とは市販のイーストではなく、様々な場所から採取したナチュラルな酵母という意味を持つ。
有機酸ユウキサン酢酸、乳酸、クエン酸など酸性を示す有機化合物。無機酸には、塩酸、硫酸、硝酸などが含まれる。加工食品では保存性を高めるために、これらの有機酸と塩類を組み合わせた「pH調製剤」を用いることが多い。
遊走現象ユウソウゲンショウ(=スウォーミング)。プロテウスなどの菌が、寒天培地上に増殖したとき、コロニー(菌集落)を形成せずに、薄く培地全面に広がること。これはプロテウス菌の鞭毛構造と関係があるとされている。
遊走子ユウソウシ胞子 (ほうし) は、シダ植物、コケ植物、藻類や菌類(キノコ、カビ)の生殖細胞であり、その中で特に鞭毛をもって運動性がある胞子を遊走子と呼ぶ
誘導期ユウドウキ細菌の増殖過程を示す増殖曲線において、細胞が分裂を始めるまでの準備期間を誘導期と呼ぶ。
陽イオン界面活性剤ヨウイオンカイメンカッセイザイ(=逆性せっけん)。陽イオン性の親水基を持つ界面活性剤。主にアミン塩型と第4級アンモニウム塩型に大別される。アミン塩は pH、金属イオン等の影響を受けやすいが、第4級アンモニウム塩は影響を受けにくい。 水溶性はアミン塩より第4級アンモニウム塩の方が大きい。吸着性、柔軟性、帯電防止性、殺菌性などの性質があるため、柔軟仕上げ剤や毛髪用のリンス、トリートメント、消毒剤等の用途がある。代表的なものに消毒剤として利用される塩化ベンザルコニウム(第4級アンモニウム塩)がある。
溶菌ヨウキン細菌の細胞膜が崩壊を伴って破壊され、死滅する現象。細菌の細胞が死細胞を残さず、溶けたように消滅することからこのように呼ばれる。 この現象は哺乳類の血液中で抗原抗体反応によって細菌細胞が崩壊する現象として発見され、その後バクテリオファージによる溶菌現象が報告された。また、リゾチームやペニシリンの抗菌作用も、溶菌現象を指標に発見された。
溶血性連鎖球菌ヨウケツセイレンサキュウキン(=化膿連鎖球菌、溶連菌)。グラム陽性の球菌であり、通性嫌気性菌。溶血性連鎖球菌感染によって起こる病気には、溶連菌がヒトの組織を直接破壊すること、あるいは生きた溶連菌に対する免疫反応によって 症状が発現する急性感染症と、溶連菌の産生する毒素によって惹き起こされる毒素性疾患がある。有名な毒素性疾患としては乳幼児がかかりやすい猩紅熱(しょうこうねつ)がある。
ヨードホールヨードホールよう素を非イオン性の界面活性剤と結合させて水溶性にした消毒液。ヨウ素分子は、微生物の細胞壁を素早く通過し、アミノ酸、及び、不飽和脂肪酸と複合体を形成し、蛋白合成を障害し、細胞膜を変化させ、微生物を不活化する。殺菌スペクトルは広く、グラム陽性菌、グラム陰性菌、結核菌、真菌、ウイルス(HBV、HIVを含む)に、有効。ただし、細菌芽胞には無効とされている。
用語 読み 解説
落下法 ラッカホウ 大気中の浮遊菌を検査する方法のひとつ。測定したい箇所にて一定時間シャーレを開放し、落下してきた菌を培地表面で捕集する。開放後、シャーレのふたを閉め、規定時間培養して菌集落を数える。旧厚生省が策定した各種食品の衛生規範には、食品工場の作業区域ごとの落下菌数基準が設けられており、簡便な衛生管理の一項目として重要である。
卵黄加マンニット食塩寒天培地 ランオウカマンニットショクエンカンテンバイチ 食品等から黄色ブドウ球菌の選択分離および生菌数の検査に用いられる寒天培地。7.5%食塩が添加されており、ブドウ球菌以外のほとんどの細菌発育を阻止し、さらに発育した黄色ブドウ球菌を指示薬としてマンニット卵黄液が添加されている。培養後の黄色ブドウ球菌コロニーの周辺は黄色を呈する。
LAMP法 ランプホウ 遺伝子増幅法の一種。増幅効率が高く、DNAを15分~1時間で109~1010倍に増幅することができる。また、特異性も高い(標的以外のものが増えにくい)ことから、反応液の白濁を見るだけで標的が増えたかどうかを確認できる。
リステリア菌 リステリアキン 通性嫌気性の無芽胞(芽胞を形成しない)グラム陽性桿菌に分類される。リステリア属には8種が含まれるが、このうち、基準種であるリステリア・モノサイトゲネス (L. monocytogenes) にはヒトに対する病原性があり、医学分野および食品衛生の観点からもリステリア菌とは特にこの菌種のことを指す。また、特徴としてはカタラーゼを有すること、低温(4℃)での増殖が可能なこと、耐塩性がある(6%以上の食塩に抵抗性のある)こと、運動性があることが挙げられる。自然界では、極めて広く分布する。
硫化水素生成菌 リュウカスイソセイセイキン 硫化水素によってリン酸根を遊離させる菌の総称。Proteus属など。 この菌の増殖により食品では、悪臭や黒変を生じる。
緑膿菌 リョクノウキン 自然環境下に存在する常在菌で、グラム陰性好気性桿菌に属する真正細菌の一種。学名をPseudomonas aeruginosa。 人に対する病原性があり、日和見感染の一種である緑膿菌感染症の原因となる。 消毒薬や抗生物質に対する抵抗力が高く、後天的に薬剤耐性を獲得したものも多く、いったん発症すると治療が困難であることから、日和見感染や院内感染の原因菌として重要視されている。
リン酸緩衝液 リンサンカンショウエキ 細胞生物学、生化学等の細胞を扱う実験でよく利用される緩衝液。リン酸とその塩類が配合されており、pHの極端な変化などを緩衝して細胞を保護する。
リン酸緩衝生理食塩水 リンサンカンショウセイリショクエンスイ 細胞生物学、生化学等の細胞を扱う実験でよく利用される緩衝液。生体内で普遍的に見出されるイオンで構成される為、無毒であり、等張になるように調製されているので細胞洗浄溶液としても用いられる。
ルシフェラーゼ ルシフェラーゼ 別名発光酵素。発光バクテリアやホタルなどの生物発光において発光物質が光を放つ化学反応を触媒する作用をもつ酵素。食品衛生の現場で洗浄確認試験として行われるATP検査の触媒としても利用される。
冷蔵 レイゾウ 主に食品や飲料を、凍らない程度の低温に冷却して保存すること。JAS法では、10℃以下での保存と定められている。
冷凍 レイトウ 食品などの腐敗を防ぐためにこおらせること。JAS法ではマイナス15℃以下での保存と定められている。
レトルト殺菌 レトルトキュウキン 加圧加熱殺菌。現在一般には食品をレトルトパウチ包装し、加圧下で100℃を越えて湿熱殺菌すること。殺菌温度は120℃、30~60分が最も一般的で、105~115℃のセミレトルト、130℃以上のハイレトルト(HTST)なども行われている。
連鎖球菌 レンサキュウキン 直径 1µm程度のグラム陽性の球菌で、形状は、個々の菌体が規則に直鎖状に並んだ配列をしている。 通性嫌気性または偏性嫌気性で、生化学的には、カタラーゼ陰性。一般に乳酸発酵によってエネルギーを得る。栄養要求性が厳しい(特異的)のも特徴のひとつである。
レンネット レンネット チーズ製造時に使用される、母乳の消化のために数種の哺乳動物の胃で作られる酵素の混合物のこと。別名、凝乳酵素。
ローラーマッシャー ローラーマッシャー 微生物検査用のマスティケーター。従来のパドル式とは異なり、ローラーによる強力な破砕力で食品検体をすり潰す。ローラーの位置を組み替えることで、市販のホモジナイズ用袋やホモジバッグなど様々なサイズの袋に対応できる。
濾過除菌 ロカジョキン 水性の検体を検査する場合に、加圧等の方法により目の細かいフィルターを通して除菌する方法。
濾過法 ロカホウ 飲料水や河川水の細菌検査に用いられる細菌検査法。日本では、ミネラルウォーター類の原水を検査する方法として指定。別名、メンブランフィルター法。
ロット ロット 検査の対象とする原材料、製品、半製品などの集まり(母集団)のこと。国内では基本的に1ロットにつき1検査すればよいことになっているが、海外ではロットの大きさにより、検査数を変える方法が主流。
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