天神屋が取り組む食安心安全について 

天神屋が取り組む食安心安全について 

前回に続きBACcTチャンネル日本細菌検査の野﨑が株式会社天神屋の取締役本部長の野尻崇生さんにインタビュー形式で天神屋の取り組む品質管理について迫ります。

いま食品メーカーは食品の安全性を確保するために、自主検査を重要とする潮流があります。 

そこで役立つのが日本細菌検査の検査キット一式(BACcT-バクット)です。BACcTを利用し迅速な検査結果が得られることで、どのようなメリットがあるのか?天神屋の品質管理は、いつ生まれ、現在何に注力しているのかがよくわかる内容になっています。

動画は主に3つの内容で構成されています

  • 食品衛生の重要性
  • 日本細菌検査を選んだ理由
  • 管理体制の変化

では順番に見ていきましょう。

食品衛生の重要性

これまで小さい食品メーカーは美味しさだったり盛りつけだったりというのを重要視していました。 
しかし食べ物に求める優先順位は、安心安全が新常識となったのです。
食品は、美味しいかつきれいで、安心安全でなくてはなりません。
よって検査の正確性を高めることが重要になってきたのです。

日本細菌検査を選んだ理由 

天神屋の品質管理の見直しが問われている中で求めているものが完全に一致したのです。
これまでは美味しさや盛り付けを優先していましたが安全性を求めないといけません。

衛生部門の工場の拠点を任された野尻さんは、潮流に乗って品質管理という概念がない中、品質管理の仕方を1から作っていく必要がありました。

品質管理に関して、他社から情報を仕入れて紹介いただいたのが『BACcT』です。
BACcTは、誰でも手軽かつ迅速に検査をすること可能にした画期的な自主検査セットです。

画期的な自主検査セット「BACcT(バクット)」

旧体制では寒天培地を利用していましたが、今では乾式培地を可能にしたBACcTを利用して品質管理を行っています。これまでは、検査を外部に委託して数日待つ必要がありました。その結果を待って食品を出荷しなければいけなかったのです。今では、自主検査を行うことで社内に向けて検査結果(情報)の共有を迅速に行うことができます。

BACcT(乾式培地)は培地調製が不要 

寒天培地も乾式培地も微生物のかたまりを検査するものです。例えば、パンにカビが生えると、カビの一部が白いふわふわしたかたまりになりますよね。こういったもの(目視できないものも含める)をチェックするために微生物検査を行います。ただ寒天培地を行うには専門的な知識が必要になってきます。というのも培地は調製しなければいけないからです。よって人件費も時間もそれなりにかかってしまうのです。

それに対してBACcT(乾式培地)は培地調製が不要です。よってすぐに検査にとりかかれます。

そもそも天神屋に限らず食品メーカーは生食用食肉(牛肉)を取り扱う事業者として成分規格に適合したものだけ販売をすることができます。加熱殺菌を行う場合は加熱殺菌の記録と微生物検査をしなければなりません。微生物検査は加工工程前と加工工程後に行われます。加工した商品と同一の枝肉に由来する部分で同一の加熱条件で加工が行われたと見なすことが可能な部位から25検体以上(1検体25g)を採取し陰性であれば商品の妥当性が認められます。BACcTはその25検体分をチェックするための検査備品類を25検体分あらかじめ用意しているので、すぐに検査することを実現できるのです。また冷却機能も備えているため35℃(菌にとって最適な温度)では検査できないカビ・酵母の検査にも対応しています。つまり食品工場などで初めて微生物検査をおこなう方に最適な食品衛生検査システムなのです。

管理体制の変化 

管理体制の変化によって得られたことは大きく2つです。 

  • 情報が社内にすぐ上がってくる
  • 社内だけでなく社外の取引先に対しても自主検査を行っていることを伝えられる

1つ目の情報がすぐに上がってることの良さは自分たちの安心にもつながります。
というのも製造部の方は微生物検査にかけてから出荷するため、商品の安全性も保証できます。よって出荷後も取り扱っている食品に対するリスクが低いものと事前に把握しておけるのです。

2つ目の社内だけでなく社外の取引先に対しても自主検査を行なっていることを伝えられることの良さは食品の安全性が保証されていることに加えて、食品によっては外部委託して2重でチェックしていることをアピールできることです。2重でチェックすることで食品の安全性に関して説得力が増すことは言うまでもありませんね。

天神屋は食品に対する安心安全への想いと日本細菌検査の「微生物由来の食中毒事故をなくす経営理念」とのベクトルが合ったことで現場での徹底した衛生管理が行えているのです。

今後の取り組みについて 

すでに天神屋は、静岡県のミニHACCPを取得しています。
より安全安心を保証するためにJmHACCP(日本惣菜協会のHACCP )の取得を目指しているのです。今の安全性に甘んじることなく、さらにもう一段上の衛生管理を行うことにも力を入れています。その衛生管理を行うのに役立っているのがBACcTです。

HACCPとは、 「Hazard Analysis and Critical Control Point」の略で、食品の安全性を確保するための国際的な衛生管理手法です。具体的には、食品の製造過程で発生する可能性のある危害要因(ハザード)を分析し、それを管理するための重要な工程(クリティカルコントロールポイント)を特定し、連続的に監視・記録する方法です。

日本では、2021年6月からすべての食品関連事業者に対してHACCPの導入が義務化されました。これにより、食品の安全性がより一層確保されることが期待されています。

天神屋の食品に対する徹底した安心安全への想いいかがだったでしょうか?天神屋の品質管理を1から作った野尻さんの話は食品メーカーで働く方々に届いたことでしょう。効果検証済みのBACcTを手にして迅速な品質管理を実現しましょう。

今回の動画はこちらです。

外部リンク:
HACCP(ハサップ)|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
食安基発0928第1号 平成23年9月28日 (mhlw.go.jp)| 厚生労働省