
今回の動画はBACcTチャンネル日本細菌検査の野﨑が弊社の森基行社長にインタビュー形式でBACcT開発の裏側に迫ります。
われわれ日本細菌検査という会社がどういう事業を行っている会社なのか、あるいはどうしてBACcTが誕生することになったのかということを話しています。
動画は主に3つの内容で構成されています。
① 日本細菌検査株式会社の歴史
② BACcTの開発背景
③ 市場での受け入れと転機
では順番に見てきましょう。
①日本細菌検査株式会社の歴史

日本細菌検査株式会社は、食品の微生物検査をどなたでも簡単に、ご自身でやっていただける微生物検査の検査装置を製造販売している会社です。併せて食品衛生全般の管理にお役立ていただける様々なサービスを提供させていただいています。
つまりお客様の食品衛生をサポートしているような会社になります。
その具体的な微生物検査装置がBACcTになります。いわゆる検査の経験のない方でも、安全にそうして正確に検査していただけるように一式をセット化した製品を販売しています。 よって経験のない方でも「簡単に安全にそして正確に検査をしていただけます。」
食品の微生物検査は2つの方法があります。
- 寒天培地
- 乾式培地
です。BACcTは乾式培地を採用しています。
というのも寒天培地は、専門性や滅菌したりする手間と時間がかかります。それに対して乾式培地は出来上がった培地を提供しています。 よって培地を用意していただけたらすぐに検査にとりかかれるのです。それぞれの方法に関してもう少し詳しく説明します。
寒天培地について
細菌が成長するためには栄養が必要です。その栄養分を含んだ培地を作らないといけません。その培地に検査対象と希釈する液を混ぜ合わせ、そこで出来た液体(試料液)を滴下することで、そこに微生物がいれば培地の中で育って確認ができるという方法となります。よって専門の人間が一から培地を作るところから始まるために時間がかかるのです。
乾式培地について
販売されている乾式培地の大半はフィルム形状であり、かつあらかじめ培地成分が塗抹された培地で、正確性の高いものです。培地はすでに出来上がっているため、すぐに検査に取り組むことができるのです。誰でも迅速に取り組むことが可能な方法です。
BACcTを利用すると気軽に微生物の検査ができます。BACcTは日本細菌検査がメーカーとしてやっている事業の大きな中心の部分となります。微生物の検査で菌が検出されますと衛生対策をしないといけません。検査結果が良いのか悪いのか?あるいは出てきた結果に基づいてどこをどう改善すればいいのか?難しい知見が必要になってきます。そこも我々が一緒になってサポートさせていただきます。
②BACcTの開発背景

Q. 主力製品のBACcTはどういったきっかけで開発された商品なのでしょうか?
海外で簡単に微生物検査を行う必要があったからです。
30年ほど前は今までと全く違う業態を展開していました。食品添加物の製造です。
当社の食品添加物は海外の製造拠点で使用されることも多く、ある時海外の製造拠点で微生物検査を行いたいというお客様がいらっしゃったのです。それは調達した製品がちゃんと品質が保たれているかどうかというのをチェックしてほしいというものです。よってそのようなお客様の要請を受け、その都度当社から海外に検査員を派遣して検査をしていたのです。正直これによって人手がとられ、国内の仕事が止まってしまいます。
結果、色々なコストも含めて合わないので、「誰でも向こうのほうでも検査できる商品を作れ」ということを当時の社長から指示され、開発が始まったのです。
これが30年前の話になります。完全にゼロからのチャレンジでした。
森社長は日本細菌検査に勤められて30年弱となります。BACcTが出る少し後に入社されました。BACcTとともに歩んできた30年です。
最初は売れる売れないの前に開発にあたって全社員が反対したのです。
というのも食品添加物の製造販売で十分成り立っていたからです。今更そんなものを作らなくても大丈夫じゃないかという意見が大半でした。それでも当時の社長がその声を全部押し切って「将来を考えたら もう一つ大きな柱を作っておきたい」と話されたのです。これがBACcTの開発を進めるきっかけとなりました。当時は保健所でやっているからとか今まで事故がないからそういったことで検査装置はいらないと言われていました。門前払いが6年から7年続きました。検査機器事業を単体で見たら赤字だったのです。
そんなBACcTは今では我々の主力の製品です。
③市場での受け入れと転機

Q. 売り上げが大きく上がったきっかけは?
大阪の堺市の学校給食で起きたO157の食中毒事件です。
微生物検査をしていかないといけないという雰囲気ができました。というのも食中毒事件は人の命が失われる可能性があるからです。 よってこの辺りから微生物検査の流れに伴って売り上げも上がりました。
他の会社との違い
ズバリ1つのパッケージで微生物検査を行えることです。
部分的に販売を行っている会社はあると思いますが、パッケージ化して売り出しているのは日本細菌検査ぐらいです。またそれに加えて実効性のある衛生管理をサポートするところまで行います。 つまりBACcTがあれば検査をすぐに取り組むことができ、食品の管理衛生まで現場に入ってサポートすることが弊社のこだわりです。
いかがだったでしょうか?今回はBACcTが誕生するまで、それから誕生後の日本細菌検査の歴史について話させていだたきました。今もなお起こりうる食中毒事故を防ぐためにもBACcTの導入はあなたに必要かもしれません。
今回の動画はこちらです。
本記事の【後編】はこちらです。
【後編・BACcTチャンネル始動】食品検査機器BACcT開発の裏側