【美しい料理を生み出す企業】日本のHACCPのパイオニアに導入の経緯や食品衛生にかける想いを聞いてみました【富士物産/第2回】 

【美しい料理を生み出す企業】日本のHACCPのパイオニアに導入の経緯や食品衛生にかける想いを聞いてみました【富士物産/第2回】

今回の動画はBACcTチャンネル日本細菌検査の野﨑が富士物産の社長であるトウサック路子さんにインタビュー形式で食品衛生について迫ります。 

トウサック路子社長の転換点から富士物産の今後のビジョンまで食品衛生にかける思いなんかも細かく教えていただきます。HACCPの導入に至るまでの流れなどにも注目です。 

動画は主に4つの内容で構成されています。 

① トウサック社長の転換点 
② 食品衛生管理責任者としての活躍 
③ 働きやすい会社づくり 
④ 帰国・富士物産入社 

ではさっそく見ていきましょう。 

トウサック社長の転換点 

「自分を失っているなという感覚になっている時がありました。」とトウサック路子社長は話して下さいました。 

というのも娘が生まれ母親としての役割だったり、日本人のあるべき姿であったり、女性としての形であったり、いろんな役割をされていました。何が一番いい形であるのか悩んでいた時期だと言います。さらに、富士物産に入社されて以来、従業員から見られるというプレッシャーを背負いつつ仕事をし続けていたのです。 

日本に戻って来てからというのも結婚、出産、育児など仕事以外にも多くの事をこなさないといけませんでした。つまりハードワークを余儀なくされた結果、自分を見失っていた時期があったのです。 

食品衛生管理責任者としての活躍 

入社してから4年ぐらい経った時にトウサック路子社長は、食品衛生管理部門の責任者になりました。つまり会社に入ってすぐに責任者になられたのです。旧社の老朽化が凄く進んでいたため、そろそろ新しい工業を建てようかと話が出ていた時期でした。そこでアメリカでの生活が活きてくるのです。 

なぜ早期にHACCPを導入できたのか?

アメリカでは、すでにどこでも聞く言葉だったのです。 

というのも当時アメリカに住んでいたため、HACCPという言葉をよく耳にしておられたのです。また前社長も海外の工場をよく見ていたので、HACCPがすでにグローバルスタンダードであることを把握されていました。そこで新社を建てるにあたって絶対にHACCPを理解した上で行った方がいいと判断されたようです。社内でもHACCPがないと、お客様に安心して製品をお届けすることができないのではないか?という話も出ていたので、意見はすぐに一致したのです。このタイミングで前社長から衛生管理部門を立ち上げると同時に責任者を担当するように伝えられたのです。 

HACCPは現在法律によって義務化されています。世間が、ようやく富士物産に時代が追い付いてきたイメージです。 

トウサック路子社長のこだわり

お客様にとって絶対的な安全性を求めて、安心感を得ることが大切です。とトウサック路子社長は話して下さいました。そのために2つのことに注力されたのです。 

  • 徹底的に先駆者の情報を調べ上げる
  • 外部の協力を求めたこと

1つ目に関しては、HACCPはアメリカでは当たり前になっていました。そこで、アメリカの事例をインターネットで探すことから始めたのです。というのもマニュアルをどこから作ればよいのか分からなかったからです。完全に手作りで真似から始めました。 

2つ目は、工場を作る時に、専門家の力もきちんと求めたことです。外部の衛生の先生にお願いして手伝ってもらうことで、より安全を意識した環境を整えることが可能になったのです。 

大手のホテルや機内食のお手伝いをさせていただくには、絶対的な安心感が必要です。安心感が見た目の美味しさやキレイさの基盤を作っているのです。トウサック路子社長の想いが世間一般より、早くからHACCPを導入することに繋がっているのです。 

働きやすい会社づくり

料理の業界はまだまだ男性が多いのが事実です。 
よって女性でも少しでも料理に興味ある人が居ればチャンスを与えているのです。 
結果的に現場は女性のリーダーも半分います。 

富士物産では、経験者の元料理人のような人たちに対してもしっかり意見を言えるような女性が育っているのです。 

社長が人材育成で気を付けている点 

人材育成で気を付けている部分は、みんなにチャンスを与えることだと話して下さいました。チャンスをきちんと与えないと失敗もできません。この様な場の設定をきちんと整えることが必要です。それに対して「こういった社長の姿勢は従業員からも伝わってきました。」と野﨑が話しているシーンも印象的です。 

現場の風通しが良いということは、富士物産の人材育成が、整っていると言えるのではないでしょうか。 

富士物産の今後のビジョン

結論は一人ひとりが成長していけるような環境をしっかり作っていくことです。 

というのも手作りを売りにしている会社なので、売り上げを倍にしようと思ったら、倍の人数が必要になってきます。それに伴って倍のスペースも必要になってしまいます。 

それよりも一人ひとりを育てることの方が大切です。量を追うというよりかは質を追求していく感じです。質を担うのは人であるので、人づくりに力を入れていきたいと話して下さいました。 

いかがだったでしょうか?ご自身が思い悩む時期もあったからこそ、人づくりの大切さを話して下さいました。また富士物産の安心安全に対するこだわりから、社長の想いまで隠すことなく伝わったことと思います。 

今回の動画はこちらです。

次の記事はこちら
【食品工場衛生責任者必見】HACCP認定工場は衛生管理のこんな部分に力を入れています【#1/富士物産工場見学】