【安全安心で新鮮な食材を皆様のもとへ】食品物流事業のスペシャリスト企業にインタビューしました【経営者インタビュー/フリゴ】 

今回の動画はBACcTチャンネル日本細菌検査の野﨑がフリゴ株式会社の代表取締役社長の西願さんにインタビュー形式で、当初からの事業の変遷に迫ります。 

1969年創業の株式会社フリゴは、大阪地域を拠点に食品物流倉庫事業を展開してきました。現在では、保管だけでなく食品加工や配送まで対応する「一気通貫型」の物流ソリューションを提供し、衛生管理の高度化が求められる現代食品流通において欠かせない存在となっています。繊維業からの事業転換を果たし、安全・安心を支える物流企業へと進化したフリゴの歩みをわかりやすくご紹介します。 

動画は主に5つの内容で構成されています。 

①株式会社フリゴについて 
②食品物流事業へ転換した経緯 
③フリゴという社名の由来 
④フリゴの特徴や強み 
⑤社会貢献活動について 

では順番に見ていきましょう。 

①株式会社フリゴについて 

南大阪・泉佐野地域は、戦前より繊維産業が盛んな土地として発展してきました。株式会社フリゴは、その恵まれた環境の中で繊維工場としての歩みを始めました。昭和40年頃には、綿布に加えて化学繊維など、当時の先端素材も取り入れながら製品づくりを行っていました。こうした取り組みの中で、大手繊維メーカーからの受注にも対応しており、技術力と対応力の高さが評価されていました。 

これらの背景から、製造現場では衛生面においても高い基準が求められ、素材の取り扱いや保管方法、作業環境における清潔さへの配慮は、品質維持のために欠かせない要素となっています。 

②食品物流事業へ転換した経緯 

戦後の日本では、繊維業が経済成長を支える重要な産業の一つでした。しかし、日米間の貿易交渉を経て、日本政府は対米輸出の自主規制を導入するなど、繊維業にとって厳しい環境が訪れます。世界的な産業構造の変化や、発展途上国による追い上げもあり、日本国内で繊維業は徐々に斜陽化するとの見方が強まりました。 

こうした時代背景の中、株式会社フリゴでは、次代を見据えた経営判断として、繊維事業から新たな事業モデルへの転換を図ることになりました。1960年代当時、繊維業がまだ活況だったにもかかわらず、将来的な市場変化を予測し、業態を食品物流事業へと大胆に切り替えたのです。また、同族企業としてスタートした組織内では、兄弟間の方針の違いやコミュニケーション不足が企業運営に影響を与える場面もありました。そうした経験を踏まえながら、ユニチカが「衣・食・住」への事業展開を進めていることに着目し、アパレル以外の分野、特に「食」に注目しました。 

女性が社会で活躍する場面が増え、家庭で台所に立つ機会が減少していくことを見越して、株式会社フリゴは食品物流に可能性を見出します。こうして始まった食品物流事業は、衛生管理をはじめとする品質と信頼性が問われる分野であり、従業員の意識改革と管理体制の強化が、事業の成長を支える重要な柱となったのです。 

③フリゴという社名の由来 

株式会社フリゴが冷蔵倉庫事業を開始した当初、社名は「和歌山冷蔵」でした。昭和60年代には、堺市の同業他社を買収し、本社機能も堺へ移転。ちょうどその頃、日本はバブル景気の真っただ中にあり、新たなビジネス環境を迎えていました。しかし、「和歌山冷蔵」という地名を冠した社名では、全国的な採用活動において新入社員の応募が伸び悩み、イメージの刷新が必要と判断されました。そこで、ヨーロッパでは「フリゴ(Frigo)」という言葉が「冷蔵庫」を意味することに着目し、国際的にも親しみやすく、業種との親和性が高い「フリゴ」という名称を採用することになりました。ロゴに関しては、当時具体的な意味を持たせてはいなかったものの、「意味がないなら、これから私たち自身が意味を持たせていけばいい」という言葉の通り、社名とロゴに込める想いを自ら築いてきた歴史があります。社名の由来には、時代の変化への柔軟な対応力と、社員が主体的に価値を築いていくという前向きな姿勢が表れています。

フリゴの特徴や強み

お客様の商売がうまくいくような仕組をご提案しています。 

お客様のニーズに応える一気通貫の体制

株式会社フリゴは、単なる冷蔵倉庫業に留まらず、取引先の多様な要望に応える柔軟な事業展開を行っています。 

たとえば、保管している商品の荷姿や規格を、商談内容に応じて変更する必要が生じた場合、フリゴではそれらの加工や配送業務まで対応できる体制を整えています。 

このような「保管・加工・配送」を一貫して担えるサービス体制は、業界内でも珍しく、他社との差別化につながっています。 

すべてはお客様の「商売がうまくいくため」の提案と対応から生まれており、フリゴの柔軟性と伴走型の姿勢が強みとなっています。 

社会貢献活動について

日本のマーケットの中で安全安心というキーワードが重要になってきています。そういったところをお客さんと一緒にきっちり作り上げていくことをやっています。

安全・安心な流通と持続可能な地域農業への支援

近年、日本の食品市場では「安全・安心」という価値がますます重要視されており、フリゴではお客様とともにその基盤を築く活動を行っています。 

また、少子高齢化に伴う人手不足や、農業従事者の後継者不足といった社会課題にも積極的に向き合っています。 

和歌山の梅など、日本各地の農産物は生産量が減少傾向にあり、それに伴い供給も不安定になっています。フリゴでは、自社で畑を借り受け、社員を農業現場に派遣するなど、地域農業の担い手としての役割も果たしています。 

農協や自治体からも支援の声が多く寄せられており、「三方よし」の精神――地域・企業・消費者の三者にとって良い形を目指しながら、日本の農業を支えています。 

なお、フリゴは食品安全マネジメントシステム「※FSSC22000」認証を取得しており、国際的にも信頼性の高い衛生管理体制のもと、事業を展開しています。 

※FSSC22000とは、FSSC22000は、「Food Safety System Certification 22000」の略で、食品の安全を確保するための国際的なマネジメントシステム規格です。
ISO22000をベースに、より厳密な衛生管理やリスク対応を求める追加項目が加えられており、世界中の食品関連企業が信頼の証として取得しています。

 起業当初から歴史の変遷いかがだったでしょうか?現在は、農業支援など社会課題にも取り組み、「三方よし」の精神のもと地域貢献を推進する姿勢が、企業の信頼と存在意義を高めています。 

今回の動画はこちらです。

 次回の記事はこちらです。

【元々〇〇の会社だった!?】ポムの樹でおなじみのポムフードの歴史とビジネスに迫る【経営者インタビュー/ポムフード】