
今回の動画はBACcTチャンネル日本細菌検査の野﨑と平塚が株式会社ポムフードの品質管理室の宮里さんにインタビュー形式で、衛生管理に迫ります。
食品製造の現場では、「安全・安心」を支える品質管理体制がますます重要性を増しています。検査の内製化や機器の選定、衛生教育の仕組みづくりなど、現場の実践は企業の信頼に直結するものです。
本記事では、ポムフードが取り組む品質管理体制の構築と、弊社の検査機器「BACcT」の導入による改善事例を紹介します。現場での課題解決や検査精度の向上に向けた取り組みは、衛生管理に携わる方々にとっても参考になるはずです。
動画は主に4つの内容で構成されています。
①品質管理の体制について
②BACcTを導入した経緯
③BACcTを導入して改善したこと
④今後の取り組みについて
では順番に見ていきましょう。
①品質管理の体制について

ポムフードでは、「安全・安心な商品を製造し、提供すること」を最優先に掲げ、品質管理体制の強化に取り組んでいます。
具体的には、完成品であるオムライスの微生物検査をはじめ、原材料や加工品、製造環境に対する落下菌検査・拭き取り検査を実施。工場内の衛生巡回や従業員への衛生教育、クレーム対応なども品質管理部門の重要な業務です。
こうした取り組みは、社内外からどのように見られているかを常に意識し、工場の衛生管理体制についても定期的に確認を行っています。
品質管理室の設置にあたっては、出原社長に提案を行い、「最先端かつ高精度な検査機器の導入」を強く希望されました。これは、検査業務の内製化を進めるという方針に基づくものであり、社内での検査精度とスピードの向上を目指したものです。
このように、ポムフードでは品質管理を単なる検査業務にとどめず、衛生教育や現場改善、クレーム対応までを含めた“安全・安心の仕組みづくり”として位置づけています。
②BACcTを導入した経緯

ポムフードでは、工場建設の前段階から「将来を見据えた品質管理体制の構築」に取り組んできました。検査機器の選定や品質管理室の設置も、事前に計画的に進めていたのです。
その中で注目されたのが、弊社のBACcTという検査機器です。弊社が重視する「誰でも簡単に検査ができること」「検査結果が正確であること」という2つの観点から、BACcTは非常に適していると認識されました。
品質管理の立ち上げや検査の内製化は、弊社の得意分野でもあり、安心して導入いただけた背景があります。従来の検査方法では、経験や専門知識が不可欠でしたが、BACcTを活用することで、操作やメンテナンスが簡便になり、現場での運用ハードルが大きく下がります。
さらに、正確性・信頼性の高い結果が迅速に得られるため、従業員へのフィードバックもスムーズに行えます。これは、衛生管理のPDCAを回すうえでも大きな強みです。
「永続的に安定した結果が出せる機械である」と、宮里さんからも評価いただいており、現場に根ざした品質管理の一翼を担う存在として活用されています。
③BACcTを導入して改善したこと

ポムフードでは、工場立ち上げ当初から検査の内製化を進めていましたが、サルモネラ検査のみは外部委託していました。しかし、BACcTの導入と弊社の平塚による技術指導、さらにコロニーの数え方に関するバックアップ体制が整ったことで、サルモネラ検査も社内で対応可能となりました。
この改善により、出荷前に必要な検査工程を迅速に完了できるようになり、卸先へのスムーズな出荷が実現。結果として、取引のスピードと信頼性が向上しています。
BACcTで使用している培地は、ネオンジェン社の3Mペトリフィルムを採用。比較的コロニーが数えやすい培地ではありますが、微生物の成長過程によっては、同じようなパターンが出ないケースもあります。
そうした場合には、画像を共有しながらインターネット上で確認を行うなど、遠隔支援の仕組みを活用。弊社では、現場の検査担当者が安心して運用できるよう、継続的なサポート体制を整えています。
④今後の取り組みについて

ポムフードでは今後、より迅速かつ正確な検査結果を安定して出せる体制づくりを目指しています。これは、万が一工場で何かトラブルが発生した際にも、即座に対応できるよう備えるためです。
また、会社の事業拡大に伴い、検査対象となる製品や工程が増加することが予想されます。それに対応するためにも、検査体制のさらなる強化と、品質管理室の機能拡充が求められています。
「安心・安全」を守るための検査は、単なるルーティンではなく、企業の信頼を支える根幹です。今後も、現場に寄り添った品質管理の仕組みづくりを進めていきます。
ポムフードでは、品質管理を「検査業務」にとどめず、衛生教育・現場改善・クレーム対応までを含めた“安全・安心の仕組み”として位置づけています。弊社のBACcTの導入によって、検査の内製化が進み、スピード・正確性・信頼性の面で大きな改善が見られました。
今後は、事業拡大に伴う検査数の増加にも対応できるよう、体制のさらなる強化を図っていく方針です。衛生管理の現場においても、こうした取り組みが“自分ごと”として活かされることを願っています。
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