
今回の動画はBACcTチャンネル日本細菌検査の髙橋が株式会社ダイヤの製造部の小林さんにインタビュー形式で、工場の製造現場について迫ります。
株式会社ダイヤの製造現場では、惣菜づくりからパンの成形工程まで、多様な作業が丁寧に進められています。現場を歩くと、衛生管理の工夫や作業効率を高めるための仕組みが随所に見られ、日々の積み重ねが品質を支えていることが分かりました。
この記事では、実際の作業工程とともに、現場で活かされている衛生管理のポイントや改善のヒントを紹介します。自社の運用を見直す際にも役立つ視点が得られるはずです。
動画は主に7つの内容で構成されています。
①入室準備
②製造の盛り付け工程
③野菜の洗浄
④調理場
⑤食材処理室
⑥器具類の整理整頓
⑦パンの仕込み・成型
では順番に見ていきましょう。
①入室準備

入室前には、作業者全員が体温チェックと手洗いを実施します。体温測定ではローラーを使用し、タイマーで30秒間しっかりと転がすことで、より正確な測定ができるようにしています。続いて手洗いも同様に30秒を基準としており、洗い方の手順は掲示物で分かりやすく示されています。指先や指の間、手首など、菌が付着しやすい部位についても図示されており、作業者が意識しながら洗浄できる環境が整っています。

こうした入室前の準備工程は、作業区域への持ち込みリスクを最小限に抑えるための重要なステップであり、日々の衛生管理の基盤となっています。
②製造の盛り付け工程

店舗で販売しているパスタやグラタンなどの惣菜は、このエリアで盛り付け作業を行っています。盛り付けが完了した商品は、そのまま店舗へ運び、販売までつなげる運用です。

作業室内の棚にはキャスターが付いており、棚ごと移動させて清掃できる構造になっています。実際の現場では、棚を動かしながらテーブルの下まで丁寧に清掃されており、汚れが残りにくい環境づくりが実践されていました。
さらに、冷蔵庫の温度管理についても1日3回の測定・記録をルール化し、確実に運用されています。こうした温度管理の積み重ねが、食品の安全性を維持するうえで大きな役割を果たしています。
③野菜の洗浄

フレッシュな野菜が搬入されると、まず電解水に浸してバブリング処理を行い、洗浄を進めています。バブリングによって表面の汚れが浮き上がり、同時に除菌効果も得られる点が特徴です。
洗浄後は脱水まで一連の工程として実施され、次の加工ステップへスムーズにつなげられる状態に整えられています。電解水を活用することで、微生物の増殖を抑えやすくなり、衛生レベルの安定化にも寄与していました。
④調理場

このエリアは、サンドイッチ用の食材処理室と、パスタを含む各種メニューの調理場を兼ねています。ここで全ての調理作業を完結させる体制になっており、取材当日はパスタの茹で工程が進められていました。
揚げ物については、中心温度の記録を必ず取得する運用が定着しており、加熱不足を防ぐための重要な管理ポイントとして位置づけられています。また、スチームコンベクションではゆで卵の調理を行っており、以前は鍋でお湯を沸かして作業していたものの、作業性や安全性を考慮してスチコンへ切り替えたとのことです。
スチームコンベクションの活用により、温度管理の安定化や作業負荷の軽減が実現し、現場の効率向上にもつながっていました。
⑤食材処理室

このエリアでは、お肉をはじめとした食材の下準備を行っています。包丁の二次汚染を防ぐため、洗浄後には紫外線による消毒を実施しており、器具の衛生状態を確保する仕組みが整えられていました。
また、pH値を基準に次亜塩素酸ナトリウムを使用する場面もあり、濃度チェックを毎日行う運用が定着しています。下処理を終えた食材は次亜塩素酸で除菌し、希釈が正しく行えているかを確認するために専用試薬で濃度を検証していました。
さらに、洗い場では包丁やまな板など多様な器具を扱うため、スポンジの色を使い分ける方法で交差汚染を防止しています。用途ごとに色を分けることで、誰が作業しても迷わず適切なスポンジを選べる仕組みになっており、衛生管理の実効性を高めていました。
⑥器具類の整理整頓

作業エリアは非常にきれいに整理整頓されており、どこに何を置くのかが一目で分かるように管理されていました。器具の定位置には写真が貼られており、誰が見ても迷わず戻せる仕組みになっています。
ダイヤでは、このような視覚管理を取り入れた整理整頓の仕組みづくりにも力を入れており、新しく入ったスタッフでもスムーズに作業へ参加できる環境が整えられていました。所定の位置に器具を戻す運用が徹底されていることで、作業効率だけでなく衛生面の安定にもつながっています。
⑦パンの仕込み・成型

このエリアは、パン生地の仕込みと成形を担当する部署になっています。現場では、複数種類の生地を扱うため、工程ごとに機械の清掃を徹底しており、コンタミネーションを防ぐ体制が整えられていました。生地が一つ終わるたびに丁寧に拭き取りを行い、次の生産に備える運用です。
作業は、生地を混ぜてブレンドする工程から始まります。仕上がった生地は分割機にかけられ、用途に応じてさまざまな大きさに分けます。分割後は丸め機で一度成形し、生地を休ませる時間を設けています。休ませることで伸びが良くなり、後工程の成形がスムーズに進むためです。

休ませた生地は棒状に成形され、機械による誤差がないかを人の目で定期的に確認しながら進められていました。続いて、フラワーシートと呼ばれるカスタードクリーム状のシートを生地に織り込み、薄く伸ばす工程に移ります。専用(右図)の機械を何度も往復させることで、均一な厚みに仕上げていく流れです。最終的には生地を4層に重ねるため、時間をかけて丁寧に伸ばしていました。
成形後の生地は急速冷凍庫で冷却され、2〜3日分をストックできる状態に整えられます。約1時間冷やした後、青いボックスに移し替えて通常の冷凍庫で保管する仕組みです。冷凍工程を経ても品質が変わらないよう、改良剤などを工夫している点も特徴でした。
また、ドライで管理する商品については、腰より高い位置で保管するルールが徹底されており、異物混入や汚染リスクを抑える工夫が見られました。

さらに、このエリアには2つのラインがあり、食パン専用の成形機も稼働しています。計量した生地を丸める機械に通し、かごで一度休ませた後、時間になると自動で落下して成形工程へ進む仕組みです。薄く伸ばして棒状に整えた後、焼成工程へと移されていました。
ダイヤの現場では、工程ごとの清掃徹底や視覚管理、温度記録の運用など、日々の積み重ねによって衛生レベルを維持していました。こうした取り組みは、食品の安全性を守るだけでなく、作業者全員が同じ基準で動ける環境づくりにもつながっています。
皆さまの現場では、衛生管理を“誰が見ても分かる仕組み”として運用できているでしょうか。衛生管理のご相談は下記より行えます。
今回の動画はこちらです。
