【おかんパン工場】人気大阪みやげの製造工程と品質管理|微生物対策・日持ちの仕組み|ダイヤ 後編 

【おかんパン工場】人気大阪みやげの製造工程と品質管理|微生物対策・日持ちの仕組み|ダイヤ 後編

今回の動画はBACcTチャンネル日本細菌検査の髙橋が株式会社ダイヤの製造部の小林さんにインタビュー形式で、工場の製造現場について迫ります。 

毎日、何気なく店頭に並ぶパン。その一つひとつがどのような工程を経て作られているのか、実際に目にする機会は多くありません。今回訪れた製造工場では、食パンの仕込みから最終仕上げ、おかんパンの製造、焼成、包装、そして出荷準備まで、すべての工程が丁寧に積み重ねられていました。 

特に印象的だったのは、機械化が進む食品製造の現場においても、「手作業でなければ守れない品質」を大切にしている点です。生地の折り方、トッピングの配置、焼印の力加減、扇風機を使った粗熱取りの衛生管理——どれも“理由のある手間”として確立されていました。 

本記事では、動画に収録された7つの工程を順にたどりながら、現場で実践されている工夫や衛生管理のポイントを紹介します。読者の皆さまの現場でも活かせるヒントがきっと見つかるはずです。 

動画は主に7つの内容で構成されています。

①食パンの仕込み・成型 
②パンの最終仕上げ工程 
③おかんパンの製造工程 
④パンの焼成工程 
⑤パンの焼成工程おかんパンの焼印・包装工程 
⑥出荷準備 
⑦パンの仕込み・成型 

では順番に見ていきましょう。 

食パンの仕込み・成型 

おかんパン工場の食パンの仕込み・成型

パン生地を型に詰める際、現場では必ず生地をU字に折り曲げてから 成型機に入れています。一見すると、折らずにそのまま入れた方が作業は早く、手間もかかりません。しかし、実際には “折る”というひと手間が、焼成後の形状保持に決定的な役割 を果たしているのです。 

パンの最終仕上げ工程 

おかんパン工場のパンの最終仕上げ工程 

最終仕上げの作業場では、焼き上がったパンにクリームを塗ったり、苺などのトッピングを施したり最も繊細な工程が行われています。ここは機械化が難しく、最終的な品質を左右するため、すべての作業をスタッフの手作業で丁寧に仕上げているのです。 

作業でしか実現できない“仕上げの精度” 

クリームの塗り込み具合やトッピングの位置は、わずかなズレでも見た目の印象が大きく変わります。そのため現場では、1つずつ状態を確認しながら仕上げる。商品ごとに最適な量・角度・配置を微調整する。季節商品は特に見栄えを重視する。といった、人の目と手でしか実現できない品質管理が徹底されています。 

微生物汚染を防ぐための“部品の煮沸” 

おかんパン工場の微生物汚染を防ぐための“部品の煮沸”

仕上げ工程では、クリームやフルーツなど微生物リスクの高い食材を扱うため、器具の衛生管理が特に重要です。 

現場では、使用する機械部品を定期的に煮沸消毒し、付着した微生物の確実な除去 

類の残渣による汚染防止、仕上げ工程の衛生レベル維持を徹底しています。 

煮沸はシンプルですが、確実性の高い殺菌方法であり、仕上げ工程の安全性を支える重要な衛生管理手段です。煮沸後に、組み立て直すひと手間が、より安心安全な商品を提供することに繋がっているのです。

おかんパンの製造工程 

おかんパンの製造工程
おかんパンの製造工程 物差しのようなものを使って正確にまっすぐ
おかんパンの製造工程 手作業で作られるので数に限りがあるということ

おかんパンのカット作業は、あえて機械ではなく手作業で行っています。機械でカットすると上からプレスする形になり、せっかく丁寧に伸ばした層がつぶれてしまうためです。横から見ると層がきれいに重なっているのが分かるほど繊細な生地なので、職人が物差しのような治具(右図)や物差しに針のついた治具(右図下)を使い、生地に目印をつけてから包丁でまっすぐ切り分けています。おかんパンは1日に平均300個を製造しているのです。 

もっと生産したいところですが、層づくりからカットまで手間のかかる工程が多く、他の商品に比べて機械化が難しいのが現状です。現在は味が2種類あり、それぞれの特徴を活かすためにも手作業での丁寧な工程を守っています。

パンの焼成工程 

パンの焼成工程

パンを焼く部署は、焼成から最終仕上げ・仕分けまでを担う重要な工程です。工場には3種類のオーブンがあり、それぞれ役割が異なります。 

・1枚ずつ手で出し入れするオーブン 
・鉄板36枚分を一度に焼ける大型オーブン 
・ラックごと入れ、内部でトレーが回転する回転式オーブン 

回転式オーブンは、トレーが回ることで熱が均一に当たり、ムラのない焼き上がりを実現します。パンによっては焼成前に最終発酵を行い、専用の暖かい部屋で50分〜1時間ほど生地を寝かせてから焼成に移ります。 

焼き上がったおかんパンはラックごと取り出し、まずは粗熱を取る工程へ。多数の扇風機を使って一気に温度を下げ、品質を安定させています。 

扇風機を使うからこそ必要な衛生管理 

扇風機を使うからこそ必要な衛生管理

粗熱取りに扇風機を使用するため、衛生管理には特に気を配っています。工場では清掃記録表を用いて計画的に1台ずつ定期清掃を実施しており、異物混入や汚染リスクを最小限に抑える仕組みが整えられていました。 

「風を使う工程」は、食品工場ではリスク管理が難しい部分でもあります。しかし、記録と計画に基づく清掃を徹底することで、安心して提供できる環境を維持しているのが印象的でした。 

おかんパンの焼印・包装工程 

おかんパンの焼印・包装工程 

粗熱を取ったおかんパンは、次に焼印工程へ進みます。トレーに並べたパン一つひとつに、職人が丁寧に焼印を押していきます。力加減が難しく、強すぎるとパンがつぶれてしまい、弱すぎると焼印がきれいに移りません。 

 「一個一個に想いを込めて押しているんです」と語られたように、焼印は単なる装飾ではなく、手仕事の証としての意味を持っていました。 

焼印を終えたパンは、個包装の工程に移ります。おかんパンは賞味期限が2週間と長めに設定されていますが、その裏には企業としての工夫がありました。まず、一つずつ丁寧に個包装すること。そして包装の中にネガモールド(脱酸素剤)を入れることで、酸素を減らし、カビの発生を抑えて日持ちを向上させています。 

賞味期限の設定にあたっては、微生物検査を繰り返しながら日持ち検査を実施し、どこまで品質が保てるかを確認していったといいます。こうした検証の積み重ねによって、現在の「2週間」という期限にたどり着きました。包装作業も含め、ここまでの工程はすべて手作業で行われており、品質を守るための丁寧な姿勢が随所に感じられました。 

出荷準備

出荷準備

包装を終えた商品は、次に出荷準備の工程へと進みます。工場内の仕分けスペースには、各店舗名がずらりと壁に掲示されており、スタッフがその表示に沿って商品を振り分けていきます。店舗ごとに必要な数量が正確に揃うよう、最終確認を行いながら丁寧に仕分けが進められていました。 

仕分けを終えた商品は、エレベーターで下の階へ送り、トラックヤードで配送車へ積み込みます。ここから各店舗へと出発し、店頭に並ぶまでの最終工程を担う重要なステップです。工場での丁寧な作業が、店舗での鮮度と品質につながっていることがよく分かる現場でした。 

まとめ

おかんパン工場

最後に、工場内を案内してくださった小林さんにお話を伺いました。毎日大量のパンを製造する中でも、「お客様に安心して食べてもらえる商品を届けたい」という想いを常に大切にしているといいます。 

どの工程を見ても、手作業の丁寧さや衛生管理への意識が徹底されており、その積み重ねが“おかんパン”の品質を支えていることがよく伝わってきました。現場の一つひとつの取り組みが、最終的にお客様の安心につながっている——小林さんの言葉から、そんな強い使命感が感じられました。 

人気大阪みやげが生まれる裏側には、手作業を大切にした製造工程と、微生物検査や衛生管理を徹底した品質管理があります。どの工程にも“理由のある丁寧さ”が息づき、安心して食べられる商品づくりを支えていることに気づいたのではないでしょうか。こうした積み重ねこそが、長く愛される商品の信頼につながっていくのです。 

弊社では品質管理に関するご相談も承っております。日々の業務の中で気になる点がございましたら、どうぞお気軽にお声がけください。

今回の動画はこちらです。 

【おかんパン工場】人気大阪みやげの製造工程と品質管理|微生物対策・日持ちの仕組み|ダイヤ 後編