【ラーメン・うどん・そば】創業70年の製麺所が掲げる本当に美味しい麺への想い【太陽製麺所/経営者インタビュー・前編】 

【ラーメン・うどん・そば】創業70年の製麺所が掲げる本当に美味しい麺への想い【太陽製麺所/経営者インタビュー・前編】 

今回の動画はBACcTチャンネル日本細菌検査の野﨑が太陽製麺所株式会社の代表取締役の王さんにインタビュー形式で、企業の特徴について迫ります。 

関西の外食文化を長年支えてきた太陽製麺所。その存在は、地域の食卓に深く根づきながらも、一般の消費者にはあまり知られていません。まずは、同社がどのような事業を展開し、どのように飲食店の“日常”を支えているのかを見ていきます。 

動画は主に5つの内容で構成されています。 

①太陽製麺所について 
②生産体制について 
③食品衛生について 
④「本当に美味しい麺」に込められた想い 
⑤太陽製麺所の歴史について

では順番に見ていきましょう。 

太陽製麺所について 

太陽製麺所について 

太陽製麺所は、大阪を中心に70年以上にわたり中華麺・ラーメン麺、うどん、そばなど多様な麺類を製造してきた老舗の製麺所です。飲食店向けの卸売を主軸としており、中華料理店やお好み焼き店、うどん・そばを扱う食堂など、関西の外食産業を長く支えてきました。 

配送エリアは大阪を中心に兵庫・奈良・京都へと広がり、基本は自社便での配送を行っています。ロットの大きい取引先には委託配送を組み合わせるなど、柔軟な物流体制を整えている点も特徴です。また、東京や沖縄といった遠方にも出荷しており、全国の飲食店から信頼を得ています。 

「関西で外食をすれば、知らないうちに太陽製麺所の麺を食べていることも多いですよ」と王さんが語ってくださったように、同社の麺は地域の食文化に深く根づいています。長年にわたりラーメンの麺や餃子の皮を製造し続けてきた背景には、太陽製麺所の“品質へのこだわり”と“飲食店の期待に応える姿勢”が息づいているのだと感じられました。 

生産体制について 

太陽製麺所の生産体制について 

ラーメン用の麺や餃子の皮は、決して賞味期限が長い食品ではありません。そのため太陽製麺所では「毎日つくり、毎日届ける」ことを基本としています。業務用の麺は飲食店の営業に直結するため、欠品はそのまま“店が開けない”という事態につながります。だからこそ、同社は日々の製造と配送を止めない体制づくりを最優先に考えているのです。 

弊社の野﨑が「確かに、ラーメン屋さんで麺がないと言われたことはないですね」と話すと、王さんは安定供給のために意識しているポイントを教えてくれました。 

まず、機械トラブルへの備えです。製麺機からわずかな異音がしただけでも、現場スタッフが早めにメンテナンスを行い、故障を未然に防ぐようにしています。予防保全を徹底することで、ライン停止のリスクを最小限に抑えているとのことでした。 

さらに、原材料の調達、生産スケジュール、人員配置にも“余力”を持たせています。常にギリギリの状態で回すのではなく、あえて余白を確保することで、突発的なトラブルが起きても供給を止めない仕組みを維持しているそうです。 

こうした取り組みはすべて、「穴をあけない」「継続して届ける」という使命感に基づいています。太陽製麺所の生産体制には、長年にわたり地域の飲食店を支えてきた企業としての責任と、王さんをはじめとする現場の方々のこだわりが息づいていました。 

食品衛生について 

太陽製麺所の食品衛生について

ラーメン用の麺は、最終的に湯がく・焼く・揚げる・蒸すといった加熱工程を経て提供される食品です。そのため、かつて製麺業界では「加熱するから大丈夫」という意識が根強く、衛生管理の優先度は決して高くありませんでした。 

しかし近年は、社会全体の衛生意識の高まりや食中毒リスクへの理解が進み、業界全体が食品衛生への取り組みを強化し始めています。王さんも「現時点で業界全体のレベルが高いとは言えないが、一つひとつ確実に上げていくことが大切」と語ってくれました。 

弊社の野﨑が「麺は最終的に加熱されるとはいえ、焼きそばやお好み焼き用の麺も含め、食の安全は重要であるため取り組みを強化しているのですね。」とまとめました。 

“加熱するから安心”ではなく、“加熱前の段階から衛生的であることが当たり前”という考え方へ──。 

太陽製麺所では、こうした意識の変化を現場レベルで共有し、衛生管理の底上げを図っています。業界の慣習にとらわれず、時代に合わせて衛生観念をアップデートしていく姿勢が印象的でした。

「本当に美味しい麺」に込められた想い

太陽製麺所の「本当に美味しい麺」に込められた想い

ラーメンの麺は基本的に5人集まったら5人みんなが美味しいということはそんなにありません。本当に美味しい面は王道の麵である。やっぱり多くの方が食べて美味しいと感じていただけるような王道の麺を作って、それをしっかりと安定供給できるような形を、毎日でも食べられるし、いつでも安心して食べられる麺を作る環境と作りたい。そういった麺を届けたいという思いで、「本当の麺」と書いているのです。安定して供給する、安全に提供する。 

太陽製麺所の歴史について 

太陽製麺所の歴史について

太陽製麺所の歴史は、王さんの祖父が14歳で初めて起業したところから始まります。最初に手がけたのは石鹸製造でした。当時は鮫の油が安価に手に入り、原料として使えると考えたことから、社員を雇い「海洋石鹸」という名で事業を立ち上げたそうです。 

 しかし、当時の技術では鮫の油から石鹸をつくることができず、事業は大きな壁に直面します。会社を畳まざるを得なくなった経験が、後の“食品の世界で生きていく”という決意につながりました。 

創業者の価値観 

「石鹸は毎日使うものだけれど、これからは“食べていくための食品”に携わりたい」。 

そう考えた祖父が次に選んだのが製麺業でした。 

海(沈むもの)ではなく、昇る太陽のように前へ進みたい──そんな願いを込めて「太陽製麺所」と名付けたといいます。 

創業後は、うどんの製麺から始まり、そばへ、そして中華料理ブームの到来とともに中華麺の製造へと広がっていきました。ラーメン店が増えた時期には中華麺の需要が一気に伸び、事業の柱となっていきます。 

移転と設備投資の裏側 

歴史の中で最も大きな危機は、難波に構えていた旧工場の老朽化とキャパシティ不足でした。 

「このままでは届けられる量に限界がある。移転したいが、場所が見つからない。遠くへ移れば配送が難しくなる。店を閉めるしかないのか──」 

先代はそんな葛藤を抱えていたといいます。 

最終的には周囲の支えもあり、現在の場所へ移転。設備投資も進み、製造能力を大きく伸ばすことができました。太陽製麺所にとって、この移転は“第二の創業”とも言える大きな転機でした。

自家製麺との共存戦略 

そこから売上が右肩上がりだったわけではありません。20年ほど前から競合が増え、さらに“自家製麺”という新しい流れが生まれます。小型の製麺機が普及し、ラーメン店が店内で麺をつくれるようになったことで、製麺所にとっては新たな競争環境が生まれました。 

「競合だけでなく、お客様自身が麺をつくるようになった。」 

王さんはそう語り、テクノロジーの進化が業界構造を変えたことを実感したといいます。 

しかし太陽製麺所は、自家製麺を“敵”とは捉えていません。「飲食店の自己実現の一つとして自家製麺がある。だからこそ、困ったときに頼れるセーフティーネットとして製麺所があるべきだと思う。」と話して下さいました。 

固定設備を増やすリスクを抱えたくない店舗にとって、必要なときに必要な量だけ頼める製麺所の存在は大きい。 

太陽製麺所は、そうした“共存”の関係を築きながら、地域の飲食店を支え続けています。 

創業者の想い、移転という大きな転機、そして自家製麺との共存戦略いかがだったでしょうか。太陽製麺所の歴史は、時代の変化に向き合いながら、地域の飲食店とともに歩んできた軌跡そのものです。変わりゆく環境の中でも、同社が大切にしてきた“支える姿勢”は今も変わっていません。 

今回の動画はこちらです。 

【ラーメン・うどん・そば】創業70年の製麺所が掲げる本当に美味しい麺への想い【太陽製麺所/経営者インタビュー・前編】